“白浪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しらなみ90.9%
はくろう9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして、汽船きせんぎたあとには、しばらく白浪しらなみがあわだち、それもしずまると、海草かいそうがなよなよと、緑色みどりいろはたのごとくなごやかにゆれるのでありました。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
あと白浪しらなみの寄せては返す、なぎさ長く、身はただ、黄なる雲をむかと、もすそも空に浜辺を引かれて、どれだけ来たか、海の音のただ轟々ごうごうと聞ゆるあたり。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
白浪はくろうをかんで、満々まんまんを張ってきた八幡船ばはんせんの上では多くの手下どもが、あけぼのの空をあおいで、しおなりのようにおどろき叫んでいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金沙灘沖きんさたんおきの水戦は展開され、颷蕩ひょうとうたる白浪はくろうは天をち、鼓噪こそう芦荻ろてきを叫ばしめ、二日二た夜にわたる矢風と剣戟けんげきと、そして雲にこだまする喊声かんせいのうちに、さしもの官船数百隻を
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)