“帆”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
88.5%
ぱん8.2%
セイル1.6%
1.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「誰か呼んでいるぜ」兄は立ち止ると、両掌りょうてを耳のうしろにのようにかって、首をグルグル聴音機ちょうおんきのように廻しています。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
川の中には白い帆艇はんていをいっぱいに張って、埠頭ふとうを目がけて走って来ましたが、かじにはだれもおりませんでした。
それから、ふたりは、をこしらえるところ、いかりを造るところ、機械場きかいば木工場もっこうばなどの大きな仕事場を通っていきました。
しかし、かぜたすけをて、なみはますますたかくなりました。そして、しろうえすようになりました。
一本の銀の針 (新字新仮名) / 小川未明(著)
べにがら色のに、まんまんたる風をはらんだ呉服船はいま、能登のと輪島わじまと七つじまあいだをピュウピュウ走っている——
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
——そして翌朝にはもう甲ノ尾から差廻しの一船に乗りこみ、解任の簿名ぼめいと頭かずの点検をうけた後、本土へ向ってその一ぱんかえり去った。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今は秋陰あんとして、空に異形いぎょうの雲満ち、海はわが坐す岩の下まで満々とたたえて、そのすごきまでくろおもてを点破する一ぱんの影だに見えず。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
そよ吹く南風をはらんで、諧音かいおんの海を、ひそやかにひがしして行ったこの一ぱんこそ、やがて山陽の形勢を一変し、ひいては後の全日本に大きな潮のあとをのこし、その革新かくしん勢力の先駆せんくをなして行ったものであることを。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぱんくだ
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「思い給え」と、こんどは魯粛が攻勢になって——「その以前、劉皇叔が曹操のため大敗をこうむって、当陽にやぶれ果てた後、先生を一ぱんに乗せて呉の国へともない、切に、わが主孫権を説き、周瑜しゅうゆをうごかして、当時まだ保守的であった呉をして遂に全面的な出兵を見るに至らしめたのはいったい誰でしたろうか」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「此処で昨晩の加害者も、セイルや舵の位置を固定して、白鮫号を放流したのだよ。見給え。ほら、やっぱり擦り消された足跡が、ずっと続いて着いている」
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
そして、岸伝いに白鮫号を引張って入江の口までやって来ると、セイルと舵を固定して、船を左廻りに沖へ向けて放流します。それから早川は元の場所に戻って、荷物を引きずって草地へ這入ります。草地の奥の小さな池の岸にアセチリン・ランプを置き、池の中へ桁網に詰めたマベ貝を浸すと、犯人はそのまま陸伝いにこっそり深谷邸へ帰ります。
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
遠浅にかれひつる子のむしろを春かぜ吹きぬ上総かづさより来て
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)