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しらなみ
ふりがな文庫
“
白浪
(
しらなみ
)” の例文
そして、
汽船
(
きせん
)
の
過
(
す
)
ぎた
後
(
あと
)
には、しばらく
白浪
(
しらなみ
)
があわだち、それも
静
(
しず
)
まると、
海草
(
かいそう
)
がなよなよと、
緑色
(
みどりいろ
)
の
旗
(
はた
)
のごとくなごやかにゆれるのでありました。
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
あと
白浪
(
しらなみ
)
の寄せては返す、
渚
(
なぎさ
)
長く、身はただ、黄なる雲を
蹈
(
ふ
)
むかと、
裳
(
もすそ
)
も空に浜辺を引かれて、どれだけ来たか、海の音のただ
轟々
(
ごうごう
)
と聞ゆるあたり。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しがない
白浪
(
しらなみ
)
の下ッ
端
(
ぱ
)
にしろ、剣といえば日本のほこりと合点し、伊勢の
玉纏横太刀
(
たまきのたち
)
や天王寺の七星剣などの
古事
(
ふるごと
)
はとにかくとして、
天国
(
あまくに
)
出現以来の
正宗
(
まさむね
)
、
義弘
(
よしひろ
)
、
国次
(
くにつぐ
)
、
吉平
(
よしひら
)
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この歩き方は
忍術
(
しのび
)
の骨法だ。……これはおかしい。不思議だな。まさか
俺
(
おい
)
らと同じように、金を目掛けて忍び込んだ、
白浪
(
しらなみ
)
の仲間でもあるまいが。……いや全くこれは不思議だ。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あのばけ物は、おいらが、江戸で名代の女
白浪
(
しらなみ
)
だと、まさか気がついてはいなかったろうが、
贅六
(
ぜいろく
)
風情
(
ふぜい
)
に、邪魔立てをされて、このまま引ッ込んでいたんじゃあ、辛抱がならぬ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
初君が哥に「ものおもひこし
路
(
ぢ
)
の
浦
(
うら
)
の
白浪
(
しらなみ
)
も立かへるならひありとこそきけ」此哥
吉瑞
(
きちずゐ
)
となりてや、五年たちてのち
嘉元
(
かげん
)
元年為兼卿
皈洛
(
きらく
)
ありて、九年の
後
(
のち
)
正和元年
玉葉集
(
ぎよくえふしふ
)
を
撰
(
えらみ
)
の時
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
この外『新古今』の「
入日
(
いりひ
)
をあらふ沖つ
白浪
(
しらなみ
)
」「
葉広
(
はびろ
)
かしはに霰ふるなり」など、または
真淵
(
まぶち
)
の
鷲
(
わし
)
の
嵐
(
あらし
)
、
粟津
(
あわづ
)
の
夕立
(
ゆうだち
)
の歌などの如きは和歌の
尤物
(
ゆうぶつ
)
にして俳句にもなり得べき意匠なり。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
名
(
な
)
も
月
(
つき
)
の
輪
(
わ
)
のおくまとは、
食
(
く
)
ひ
詰者
(
つめもの
)
と
白浪
(
しらなみ
)
の深き
企
(
たく
)
みに
当
(
あた
)
りしは
後
(
のち
)
の話の
種
(
たね
)
ヶ
島
(
しま
)
、
危
(
あぶ
)
ないことで……(ドン/\/\/\
激
(
はげ
)
しき
水音
(
みづおと
)
)あつたよなア——これでまづ
今晩
(
こんばん
)
はこれぎり——。
鰍沢雪の夜噺(小室山の御封、玉子酒、熊の膏薬)
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
士族の
乳貰
(
ちちもらい
)
、
按摩
(
あんま
)
の
白浪
(
しらなみ
)
、天狗の生酔、娼妓の貞節、楠公の奇計という六題を五幕の世話狂言に脚色したもので、その
正本
(
しょうほん
)
は——その頃は脚本とはいわない、無論に戯曲などとはいわない
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この女こそ箱師のお玉といって名打ての女
白浪
(
しらなみ
)
だ。東京で警視庁に上げられる
度
(
たび
)
に、吾輩から感想を話させられた女だ。この女の身の上話を雑誌にヨタッたお蔭で吾輩は多量の原稿を稼いでいる。
山羊髯編輯長
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
おめき叫び給えども、
漕
(
こ
)
ぎ行く船のならいにて、跡は
白浪
(
しらなみ
)
ばかりなり。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と一
思案
(
しあん
)
して其場へ
捨置
(
すておき
)
是が後日の
狂言
(
きやうげん
)
だ
斯
(
かう
)
して置ば大丈夫と彼藤崎道十郎が
忘
(
わす
)
れて行し傘を
死骸
(
しがい
)
の
脇
(
わき
)
へ
投捨
(
なげすて
)
て
跡
(
あと
)
白浪
(
しらなみ
)
と我が家なる麹町へぞ急ぎける爰に武州なる品川宿といふは山を
後
(
うし
)
ろにし海を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
なぎさには
白浪
(
しらなみ
)
の寄るところ見えこの高きより見らくしよしも
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
下には荒れ狂う
白浪
(
しらなみ
)
が野獣が牙をむいたようになっていた。
飛行機に乗る怪しい紳士
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「拙者を
白浪
(
しらなみ
)
仲間とでも感違いを致したのか」
怪異暗闇祭
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
白浪
(
しらなみ
)
四人男じゃねえか」
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
初君が哥に「ものおもひこし
路
(
ぢ
)
の
浦
(
うら
)
の
白浪
(
しらなみ
)
も立かへるならひありとこそきけ」此哥
吉瑞
(
きちずゐ
)
となりてや、五年たちてのち
嘉元
(
かげん
)
元年為兼卿
皈洛
(
きらく
)
ありて、九年の
後
(
のち
)
正和元年
玉葉集
(
ぎよくえふしふ
)
を
撰
(
えらみ
)
の時
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
またある時は二つの船は互いに遠く乗り放し矢合わせをして戦った。闇の夜には
篝
(
かがり
)
を
焼
(
た
)
き、星明りには
呼子
(
よびこ
)
を吹き、月の晩には
白浪
(
しらなみ
)
を揚げ、天竜の流れ
遠州
(
えんしゅう
)
の
灘
(
なだ
)
を血にまみれながら
漂
(
ただよ
)
った。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お家騒動の狂言の金主になって、かつて儲けた経験のあるものは、今度も何かお家騒動の狂言を出してくれという。
白浪
(
しらなみ
)
物の狂言で当てたものは、今度もなにか泥坊物を
択
(
えら
)
んでくれと註文する。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
自分が
彳
(
たたず
)
んでいた七八間さきの、
切立
(
きった
)
てに二丈ばかり、沖から燃ゆるような
紅
(
くれない
)
の日影もさせば、一面には山の緑が月に映って、
練絹
(
ねりぎぬ
)
を裂くような、
柔
(
やわらか
)
な
白浪
(
しらなみ
)
が、根を一まわり結んじゃ解けて拡がる
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「どこったって、べら棒め、
白浪
(
しらなみ
)
の行く先がいえるもんけ」
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鴨山
(
かもやま
)
の
滝津
(
たきつ
)
白浪
(
しらなみ
)
さにつらふをとめと二人見れど飽かぬかも
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
“白浪”の意味
《名詞》
白くみえる波。
(出典:Wiktionary)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
浪
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
“白浪”で始まる語句
白浪物
白浪流