“乳貰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちちもらい33.3%
ちもら33.3%
ちちもら16.7%
ちもらい16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この男が雨に当てまいと大切がるのは、単にこの羽織ばかりではなく、一品ひとしな懐に入れているものがある。大きな紙入ではない。乳貰ちちもらい嬰児あかんぼでもない。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しつゝなさあるいへ乳貰ちもらひにおもむ漸々やう/\にしてそだつれ共ちゝたらざれば泣しづむ子よりもなほかなしく思ひ最う此上は神佛しんぶつ加護かごあづかるより他事無しと吉兵衞は祇園ぎをん清水きよみづ其外靈場れいぢやう祈誓きせいかけ精神せいしん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ふとしたことから兄の家へ乳貰ちちもらいに来た人が、その子を連れて参りましたのを、兄が取り戻したから、そっと、わたくしに取りに来るようにと沙汰さたがありました、それ故、急いで行って参ります
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
首環くびだまかじり着いて、頬杖して、ふと思い着いて、「恩愛雪の乳貰ちもらい」という気取きどり、わざと浮かぬつらをしている処へ、くだんの半札がさて早であった。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)