乳貰ちちもらい)” の例文
この男が雨に当てまいと大切がるのは、単にこの羽織ばかりではなく、一品ひとしな懐に入れているものがある。大きな紙入ではない。乳貰ちちもらい嬰児あかんぼでもない。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
士族の乳貰ちちもらい按摩あんま白浪しらなみ、天狗の生酔、娼妓の貞節、楠公の奇計という六題を五幕の世話狂言に脚色したもので、その正本しょうほんは——その頃は脚本とはいわない、無論に戯曲などとはいわない
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)