乳貰ちもら)” の例文
しつゝなさあるいへ乳貰ちもらひにおもむ漸々やう/\にしてそだつれ共ちゝたらざれば泣しづむ子よりもなほかなしく思ひ最う此上は神佛しんぶつ加護かごあづかるより他事無しと吉兵衞は祇園ぎをん清水きよみづ其外靈場れいぢやう祈誓きせいかけ精神せいしん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのうちに妻が妊娠して、翌年になって男の子を分娩したが、ひどい難産のうえに産褥さんじょく熱で母体が危険になった。青年は幾晩も眠らないで、愛妻を看護するかたわら嬰児あかごのために乳貰ちもらいに歩いた。
前妻の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)