“芦荻”の読み方と例文
読み方割合
ろてき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのゆうべ、渡良瀬川の芦荻ろてきの中に小舟をひそめて、彼は身をつつむ蓑笠みのかさに、やがて、じっとり降りてくる晩春のおもたい夜を待っていた。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
岸の芦荻ろてきに、その根元にたぷたぷと打寄せて来てゐる濁流に、遠い空に捺されたやうにあらはれて見えてゐる風車に、微かに岸に残つてゐる桃の花に
(新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
またこの地方には川や沼が多く、枯れた芦荻ろてきや裸になった苅田には、鴨、雁、鷺などが群をなして、やかましく飛び立ったり、舞いおりたりしていた。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)