“前生”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぜんしょう63.2%
ぜんせ10.5%
ぜんせい10.5%
さきのよ5.3%
さきしやう5.3%
ぜんしやう5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当然これも源氏の恩であることを皆知っていた。この世でこんなに人を喜ばしうる源氏は前生ぜんしょうですばらしい善業ぜんごうがあったのであろう。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
すべて神様のお思召ぼしめしさ。おれは、わるくないんだ。けれども、前生ぜんせに亭主を叱る女か何か、ひどく汚いものだったために、今その罰を受けているのだ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
是は皆前生ぜんせいの約束事かと思う、悪いからめようとしても止められんね、これは妙なもので、十四の時からわしは盗賊をます
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さるを富貴は前生さきのよのおこなひのかりし所、貧賤はしかりしむくいとのみ説きなすは、一〇一尼媽あまかかとらかす一〇二なま仏法ぞかし。
「わたしの前生さきしやうはルンペンだつたのかしらん。遠い昔、野の草を宿としてゐて、ひえこんでんだのかもしれない。それでこんなにうちのなかにばかりゐるのかしら?」
あるとき (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
これが所夫をつとあふがれぬべくさだまりたるは天下てんか果報くわはう一人ひとりじめ前生ぜんしやう功徳くどくいかばかみたるにかとにもひとにもうらやまるゝはさしなみの隣町となりまち同商中どうしやうちゆう老舖しにせられし松澤儀右衞門まつざはぎゑもん一人息子ひとりむすこ芳之助よしのすけばるゝ優男やさをとこ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)