前生さきのよ)” の例文
さるを富貴は前生さきのよのおこなひのかりし所、貧賤はしかりしむくいとのみ説きなすは、一〇一尼媽あまかかとらかす一〇二なま仏法ぞかし。
君が問ひ給ふは、九三往古いにしへより論じ尽さざることわりなり。かの仏の御法みのりを聞けば、九四富と貧しきは前生さきのよ脩否よきあしきによるとや。九五あらましなる教ぞかし。
おのがたからをたのみて九六他人ことひとにいきほひをふるひ、九七あらぬ狂言まがごとをいひののしり、あさましき九八えびすごころをも見するは、前生さきのよの善心かくまでなりくだる事はいかなるむくいのなせるにや。