“夷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えびす50.8%
い11.1%
なだら7.9%
たいら6.3%
ひな3.2%
えみし3.2%
たひ3.2%
ゐ3.2%
たひらか1.6%
たひら1.6%
なら1.6%
たれ1.6%
な1.6%
ひしや1.6%
エビス1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かゝる人なりければ其面貌(つらつき)も恐ろしげに荒びて夷(えびす)などの如くなりけむ、孔子も貌を以て人を取りつ之を子羽に失しぬと云ひ玉へり。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
然レドモ方今(ほうこん)英夷(い)ヲ防グノ術火攻ヲ除イテハ則チ手ヲ措クベキナシ。ケダシ時勢ノ変ニシテ兵法ノ一定シテ論ズベカラザルモノ也。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
汽車が武蔵(むさし)の平野へ降りてくるにつれて、しっとりした空気や、広々と夷(なだら)かな田畠や矮林(わいりん)が、水から離れていた魚族の水に返されたような安易を感じさせたが、東京が近(ちかづ)くにつれて
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
諸(すべて)の谷は埋られ、諸の山と崗とは夷(たいら)げられ、屈曲(まがり)たるは直くせられ、崎嶇(けわしき)は易(やす)くせられ、諸の人は皆神の救を見ることを得ん
この歌も、「あまざかる夷(ひな)の長道(ながぢ)ゆ」の歌のように、直線的に伸々(のびのび)とした調べのものである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
樫(かし)の木(き)よ、滅(ほろ)んだ神々(かみがみ)に向つて輝きわたる榮光(えいくわう)の波、おそろしく大きな足の夷(えみし)、光と血の岩。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
起(き)を射(い)るに坐(ざ)して、(一一一)宗(そう)を夷(たひ)らげられて死(し)せし者(もの)七十餘家(よか)。
昔は樹木ありしと云ふも、今は赭禿の山海抜千六七百尺に過ぎず。此山の夷(ゐ)して平原に下(くだ)る所はエズレルの跡(あと)也。
濃く温なる空氣は漲(みなぎ)り來りて我面を撲(う)てり。われは我精神の此の如く安く夷(たひらか)なるべきをば期せざりき。その状態は固より興奮せり。
併し惜福の工夫には缺けて、病中に憤死し、家滅び族夷(たひら)げられたのは、人の知つてゐることである。木曾義仲は平氏を逐ひ落した大功が有つた。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
少しずつ注(さ)して行(いっ)てパセリを細(こまか)く刻んで入(いれ)て塩胡椒で味をつけて好(い)い加減な固さになった時ブリキ皿へ盛って上を夷(なら)してバターを少し載せてパン粉を
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それからあの、赤城(あかぎ)の、こうずうと夷(たれ)とる、それそれ煙が見えとるだろう、あの下の方に何だかうじゃうじゃしてるね、あれが前橋(まえばし)さ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
... ジャガ芋で包んでよく夷(な)らして玉子の黄身を刷毛(はけ)で塗ってバターを中匙一杯位中央(まんなか)へ載せておいてテンピで二十分ほど焼くのです」玉江嬢
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
で、鼻は夷(ひしや)げて、唇も厚かつたし、顔の輪廓も整(とゝの)つた方ではなかつたにしても、決して悪い感じの顔ではないことに気がついた。
復讐 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
7 「遥かの沖にも、石はあるもの。夷(エビス)ノ御前(ゴゼ)の腰掛け石」の唄。
漂著石神論計画 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)