“辛夷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こぶし95.2%
シンイ4.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二本の燭はこれも一隅が映っている白い包みを左右から護って、枯れた辛夷こぶしの梢越しに、晴れやかに碧い大空でゆらめいているように見えた。
祖母のために (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
紫を辛夷こぶしはなびらに洗う雨重なりて、花はようやく茶にちかかるえんに、す髪の帯を隠して、動かせば背に陽炎かげろうが立つ。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何時いつの間に花が咲いて散ったのか、天気になって見ると林の間にある山桜も、辛夷こぶしも青々とした広葉になっていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
墓地の松や生垣いけがきの中には、辛夷こぶしの花が白らんでいる、天気のい日曜のひる過ぎだった。
お律と子等と (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
いつも川の端に多くいる鳥で、辛夷こぶしの花の咲く頃に啼くといっている。
古来どの学者でも辛夷シンイをコブシであるとして疑わず涼しい顔をしており、また従来どんな学者でも木蘭モクランをモクレンでそうろうとしてスマシこんでいるのは笑わせる。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)