“滅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほろ35.4%
ほろぼ17.0%
めっ12.2%
9.5%
9.5%
めつ6.1%
4.1%
1.4%
1.4%
おと0.7%
ころ0.7%
しめ0.7%
なくな0.7%
メツ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから中一年置いて、家康が多年目の上のこぶのように思った小山の城が落ちたが、それはもう勝頼のほろびる悲壮劇ひそうげきの序幕であった。
佐橋甚五郎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そこでこの歌の心はどういうものかというと実によい歌です。かかる勇気がなければ到底大敵をほろぼして国難を救うことは出来ない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
子は親を、親は子を、骨肉互いにそむき合って、兵火の間にまみゆる例は、いつの乱世にもある慣い、いわゆる大義親をめっすでござる。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
懷舊の念しきりにして、戀慕の情止むことなく、雙眸さうぼう涙に曇る時、島國は忽ちえたり。月あかき宵の事なりき。島國は又湧き出でぬ。
小谷間こたにあいの、いささか風雨を避けた地点ところに、白髪頭を土にり込まして、草加屋伊兵衛の血だらけの屍骸むくろが、仰向けに倒れていた。
は老い、は嘆けり。は白し、早や輝けり。は消えむ、ああ早や、が妻、が子、いろとぞうの、残れる者、ことごとくめつせん。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ことさらにあとさんと、きりこみし人々、皆其刀をがせし中に、一瀬が刀の二個処いちじるしくこぼれたるが、臼井が短刀のはのこぼれに吻合ふんごうしたるよりあらわれにき。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
幾年いくねんもたたずして、そのふもとのまちはほろびて、くなってしまいました。
赤いろうそくと人魚 (新字新仮名) / 小川未明(著)
驚きながら四辺あたりを見ますと、結構な木口きぐちの新築で、自分の姿なりを見ると、単物ひとえものそめっ返しを着て、前歯のりました下駄を穿き、腰にきたな手拭てぬぐいを下げて、頭髪あたま蓬々ぼう/\として
あだごころ君をたのみて身をおとす媚薬の風に吹かれけるかな
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
哭きつつぎしかば、すなはち見得て、その木をきて、取り出で活して、その子に告りて言はく、「汝ここにあらば、遂に八十神にころさえなむ」
かがり火枝ほえだついばしめし去ると
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
若しさうなれば、私もそれで苦労がなくなるのだから、きつと体も丈夫になるに違無いから、是非さう云ふ事に阿父さんにも頼んで下さいな、ねえ、阿母さん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「知らぬか、廷尉。——大義タイギシンメツス、とあるのを。異朝いちょうでもそれが新しい朱子しゅしの学として奉じられておる。遠い魏朝ぎちょうにあった故事ふるごとなどは早やカビ臭いわ。……いや、坊門どの」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)