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滅
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め
ふりがな文庫
“
滅
(
め
)” の例文
小谷間
(
こたにあい
)
の、いささか風雨を避けた
地点
(
ところ
)
に、白髪頭を土に
滅
(
め
)
り込まして、草加屋伊兵衛の血だらけの
屍骸
(
むくろ
)
が、仰向けに倒れていた。
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
お前たちには、その資格が無いのです。日本の綺麗な兵隊さん、どうか、彼等を
滅
(
め
)
っちゃくちゃに、やっつけて下さい。
十二月八日
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
折からの
旱天
(
かんてん
)
にも
滅
(
め
)
げず、満々たる豊かさをひびかせて、富士の裾野のいかにも水々しい若さを鮮やかに印象している。
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
花の
香
(
か
)
さえ重きに過ぐる深き
巷
(
ちまた
)
に、呼び
交
(
か
)
わしたる男と女の姿が、死の底に
滅
(
め
)
り込む春の影の上に、明らかに
躍
(
おど
)
りあがる。宇宙は二人の宇宙である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
虎は目鼻から血を
噴
(
ふ
)
き出す。
呻
(
うめ
)
きは全山を
震撼
(
しんかん
)
する。さらに蹴る。
滅
(
め
)
ッ
多
(
た
)
打ちに打ちのめす。苦しさの余り虎は腹の下の土を掘った、虎のからだの両側に小山ができる……。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
私の身体の重みで踏みしめている湿っぽい落葉がギシギシと
滅
(
め
)
り込む音すらが、あたりの静けさを破って、今にもこの
闇
(
くら
)
い森の奥から何者かが、私の首筋でも引っ掴みそうな
逗子物語
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
と
欠伸
(
あくび
)
のような気のぬけた声を立てて、ばったりと平ったくつッ伏してしまった。蒼白い顔がぐんにゃりと潰れたように古い畳に
滅
(
め
)
り込んで、瞳がどんよりと開けられたきり動かなかった。
香爐を盗む
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
と千鶴子は額に手を翳し、飛び散る泡にも
滅
(
め
)
げず云った。
旅愁
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
少女の眼は
滅
(
め
)
入り
込
(
こ
)
んだ私の胸を
輕
(
かろ
)
くさせた。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ただ汽車を下りるや否や
滅
(
め
)
り
込
(
こ
)
みそうな精神が、
真直
(
まっすぐ
)
な往来の真中に
抛
(
ほう
)
り出されて、おやと眼を覚したら、山里の空気がひやりと、夕日の間から皮膚を
冒
(
おか
)
して来たんで
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
文章も、しどろもどろの
滅
(
め
)
っ
茶苦茶
(
ちゃくちゃ
)
だ。麻の
如
(
ごと
)
くに乱れて
居
(
お
)
ります。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
順当に乗り込んだのならまだよかったけれども、片方の輪だけが泥の中へぐしゃぐしゃと
滅
(
め
)
り
込
(
こ
)
むと同時に、片方は依然として固い土に支えられている。余は
泥側
(
どろがわ
)
に席を占めていた。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「鳴かぬ烏の闇に
滅
(
め
)
り込むまでは……」と六尺一寸の身をのして胸板を
拊
(
う
)
つ。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
水行くほかに
尺寸
(
せきすん
)
の余地だに
見出
(
みいだ
)
しがたき岸辺を、石に飛び、岩に
這
(
は
)
うて、
穿
(
は
)
く
草鞋
(
わらんじ
)
の
滅
(
め
)
り込むまで腰を前に折る。だらりと下げた両の手は
塞
(
せ
)
かれて
注
(
そそ
)
ぐ渦の中に指先を
浸
(
ひた
)
すばかりである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あの錦襴も織りたては、あれほどのゆかしさも無かったろうに、
彩色
(
さいしき
)
が
褪
(
あ
)
せて、
金糸
(
きんし
)
が沈んで、
華麗
(
はで
)
なところが
滅
(
め
)
り込んで、渋いところがせり出して、あんないい調子になったのだと思う。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
小野さんがこの瞬間にこの美しい画を捕えたなら、編み上げの
踵
(
かかと
)
を、地に
滅
(
め
)
り込むほどに
回
(
めぐ
)
らして、五年の流を逆に過去に向って飛びついたかも知れぬ。惜しい事に小野さんは
真向
(
まむき
)
に坐っている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“滅(滅日)”の解説
滅日(めつにち)は、太陰太陽暦における暦注の1つ。滅と略する場合もある。
(出典:Wikipedia)
滅
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
“滅”を含む語句
滅亡
滅法界
滅法
滅相
破滅
滅茶々々
滅切
滅多
滅茶滅茶
滅茶苦茶
滅茶
磨滅
寂滅
罪滅
幻滅
滅却
絶滅
罪障消滅
殲滅
湮滅
...