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滅
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き
ふりがな文庫
“
滅
(
き
)” の例文
懷舊の念しきりにして、戀慕の情止むことなく、
雙眸
(
さうぼう
)
涙に曇る時、島國は忽ち
滅
(
き
)
えたり。月あかき宵の事なりき。島國は又湧き出でぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
海をはじめて見た幼い日の
驚愕
(
きょうがく
)
の念は、それが引き起した錯覚に強調されて、いつまでも
滅
(
き
)
えずに残って来ているのである。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
憐れむべし剛勇みづから
恃
(
たの
)
める相馬小次郎将門も、こゝに至つて時節到来して、一期三十八歳、一燈
忽
(
たちま
)
ち
滅
(
き
)
えて五彩皆空しといふことになつた。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
プまたいわく、牝馬は四十歳まで年々駒を産み得るも、
鬃
(
たてがみ
)
を苅らば性慾
滅
(
き
)
ゆ。その子を産むに当っては直立す。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
一年の後、川村氏は既に什器の事を忘れてゐると、或日品川へ一の
匣
(
はこ
)
が漂着した。幸に封緘
故
(
もと
)
の如くで、上に題した宛名も
滅
(
き
)
えなかつたので、此エパアヴは川村氏の手に達した。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
胡坐の男は、砂の上に投げ出してある紙莨を一本とつて、チョと
燐寸
(
マツチ
)
を擦つたが、見えざる風の舌がペロリと舐めて、直ぐ
滅
(
き
)
えた。復擦つたが復滅えた。三度目には十本許り一緒にして擦る。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
(爆発。ファウスト地に倒る。男女の鬼物霧になりて
滅
(
き
)
ゆ。)
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
いつしかと眼に
滅
(
き
)
えぬべきかなしみの
映畫
(
えいぐわ
)
なれども
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
今はたいかに——
滅
(
き
)
えさりぬ。
小曲二十篇
(新字旧仮名)
/
漢那浪笛
(著)
滅
(
き
)
えなづみつゝ朽ちゆきぬ。
日本橋附近
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
花もろともに
滅
(
き
)
えばやな。
北村透谷詩集
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
その
讃頌
(
さんしょう
)
の声がいつしかしずまる。もはや聞えなくなったかと思うと共に、今まで仰ぎ見ていた御影もまた
滅
(
き
)
えて行った。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
その形は小なれども、
略
(
ほ
)
ぼ
前
(
さき
)
に見つる龍卷に似て、碧き光眼を射たり。こはわが未だ
除
(
のぞ
)
かざる驚怖の幻出する所なるか、將た未だ
滅
(
き
)
えざる記念の
化現
(
けげん
)
する所なるか。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
胡坐の男は、砂の上に投げ出してある
紙莨
(
タバコ
)
を一本とツて、チヨと
燐寸
(
マツチ
)
を擦つたが、見えざる風の舌がペロリと舐めて、直ぐ
滅
(
き
)
えた。復擦つたが復滅えた。三度目には十本許り一緒にして擦る。
漂泊
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ふりつもる「時」の
沈默
(
しじま
)
にうづもれて
滅
(
き
)
ゆる
昨日
(
きのふ
)
よ。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鶴見がこの不思議な夢を傍観して驚異の念に打たれていた
隙
(
すき
)
に乗じたのでもあるまいが、その夢はすでに
滅
(
き
)
えかけていた。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
劇
(
はげ
)
しき風に焔は横さまに吹き
靡
(
なび
)
けられ、
滅
(
き
)
えんと欲して僅に燃ゆ。博士は疲れたりとて
草寮
(
こや
)
に留まりぬ。我等の往手は巖の間なる細徑にて、熔巖の塊の蹄に觸るゝもの多し。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
黒い
鴉
(
からす
)
につぶされて種の
凡
(
すべて
)
の
滅
(
き
)
ゆる音。
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
頼め、その影、あるは
滅
(
き
)
え、あるは照らさで。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
薄く光つて
滅
(
き
)
え去れば
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
額
(
ぬか
)
づきし
面
(
おも
)
わのかげの
滅
(
き
)
えがてに
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
燈火
(
ともしび
)
の
滅
(
き
)
えにたる過去の
火盞
(
ほざら
)
と
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
“滅(滅日)”の解説
滅日(めつにち)は、太陰太陽暦における暦注の1つ。滅と略する場合もある。
(出典:Wikipedia)
滅
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
“滅”を含む語句
滅亡
滅法界
滅法
滅相
破滅
滅茶々々
滅切
滅多
滅茶滅茶
滅茶苦茶
滅茶
磨滅
寂滅
罪滅
幻滅
滅却
絶滅
罪障消滅
殲滅
湮滅
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