めつ)” の例文
は老い、は嘆けり。は白し、早や輝けり。は消えむ、ああ早や、が妻、が子、いろとぞうの、残れる者、ことごとくめつせん。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
めつ多にとり出すことのないかん情のはしに一つの火がしづかに點ぜられ、だん々ひろがつてゆくやうな氣持である。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
忽ち其所へ打倒うちたふめつなぐりに打据うちすゑたり斯る所へ半四郎は彼早足かのはやあしも一そうはげしく堤の彼方へ來懸きかゝりて遙か向うを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
およぜいつとめ、ところけいするところかざり・しかうしてにくところ(八五)めつするをるにり。かれみづか其計そのけいとせば、すなは其失そのしつもつこれ(八六)きはむるかれ。
これ千年の深林をめつし、人力を以て自然に打克うちかたんが為めに、殊更に無人ぶじんさかひを撰んで作られたのである。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
鉄をつんざき、いはほを砕くのためし、ましてや家をめつし、人をみなごろしにすなど、ちりを吹くよりもやすかるべきに、可恐おそろしや事無くてあれかしと、お峯はひと謂知いひしらず心をいたむるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
高野山といへば、古美術や古文書こもんじよなどの多く残つてゐるので聞えた山だが、それに目星をつけて方々より狩出しに来るものが多いので、近頃はめつきり宝物ほうもつの数が少くなつた。
めつや、しふのにほひや
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
編者未だ識別しきべつすることあたざれどもしはたしてしんならしめば吉宗よしむねぬしが賢明けんめいなるは言計いふばかりもなくにせにせとして其のあくあばかんすきぞくめつするは之奉行職の本分ほんぶんなれば僞者にせものの天一坊を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さうしてとてもこの罰の中つたからだでは、今更どうかうと思つても、願なんぞのかなふと云ふのは愚な事、だ未だ憂目うきめを見た上に思死おもひじにに死にでも為なければ、私のごうめつしないのでせうから
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ことごとくめつせん。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
見顯みあらはすは然のみ大功とは稱するに足ねどしんの天一坊をにせとしてよく天下の爲に是をめつせしは智術ちじゆつ萬人に越え才學さいがく四海に並ぶ者なき忠相ぬしに有らざれば誰人たれびとか能く此機變このきへんを行なひ君を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)