“宝物”のいろいろな読み方と例文
旧字:寶物
読み方(ふりがな)割合
ほうもつ50.0%
たからもの41.0%
はうもつ6.4%
たから2.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……加うるに、紫玉がかついだ装束は、貴重なる宝物ほうもつであるから、驚破すわと言わばさし掛けて濡らすまいための、鎌倉殿の内意であった。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今九枚残っているのが、肥後ひごの熊本の本願寺支配の長峰山ちょうほうざん随正寺ずいしょうじという寺の宝物ほうもつになって居ります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「これだこれだ。この金環だ。ああよくもわが手に帰ってきたものだ。わが生命よりもとうといこの世界の宝物ほうもつ! どれ、よく中を改めてみよう」
見えざる敵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
わたしは一旦紛失したおいえ宝物ほうもつを再びたずね出したように喜んで、もろもろの瓦楽多のなかでも上坐に押し据えて、今でも最も敬意を表しています。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
くて一年ばかりも過ぎると、或夜あるよ何者か城内へ忍び入って、朝高が家重代いえじゅうだい宝物ほうもつたる金のかぶとを盗み去ったのである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
こうおもって、長者はこのたにしを、いつまでもうちの宝物たからものにしておきたくなりました。そこで、たにしのごきげんをとるつもりで、
たにしの出世 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
桃太郎ももたろうはたくさんの宝物たからものをのこらずんで、三にんの家来けらいといっしょに、またふねりました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
と天丸は、小さい声で囁いた。「向こうに見えるいわやの内に、二つの宝物たからものがあるのでござる。二人一緒に参りましょうかな?」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あるところに、ひろはたけと、はやしと、花園はなぞのと、それにたくさんな宝物たからものっているひとんでいました。
星と柱を数えたら (新字新仮名) / 小川未明(著)
いくら宝物たからもののようにだいじにしても、時計とけいであるかぎり、時間じかんがくるえば、まったく価値かちはなくなるとおもったからです。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それから二人ふたり庫裡くりへ行つて、住職の坊さんに宝物はうもつを見せて貰つた。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
古樹と寺院と城壁と同じく飽くまで保存せしむべき都市の宝物はうもつである。
水 附渡船 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
『さあ、みんなお金も宝物はうもつも出してしまへ。』
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
仏法僧鳥ぶつぽふそうを聞かうともせず、宝物はうもつも見ず、大門の砂のところからのびあがつて、奥深い幾重の山のはるか向うに淡路島あはぢしまよこたふのも見ようともせず、あの大名の墓石ぼせきのごたごたした処を通り、奥の院に参詣して半日つぶして直ぐ下山して居る。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
(あゝ、あゝ、)とにごつたこゑして白痴あはうくだんのひよろりとした差向さしむけたので、婦人をんないたのをわたしてると、風呂敷ふろしきひろげたやうな、他愛たあいのない、ちからのない、ひざうへへわがねて宝物はうもつ守護しゆごするやうぢや。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
交叉してかがやく、数多き宝物たから主人あるじ、言葉すくなきマカよ!
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
宝物たからを守っている身だからよ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)