宝物たからもの)” の例文
旧字:寶物
そればかりか、海賊の秘密の基地であるから、運がよければ、かれらが、うずめてかくしておいた宝物たからものを、発見できるかもしれない。
無人島に生きる十六人 (新字新仮名) / 須川邦彦(著)
こうおもって、長者はこのたにしを、いつまでもうちの宝物たからものにしておきたくなりました。そこで、たにしのごきげんをとるつもりで
たにしの出世 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
ははも、そうおもっていたようです。しかし、はは宝物たからものおもったのは、多少たしょうぼくがおもったのと、意味いみがちがうかもしれません。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「では格別の憐愍れんびんにより、貴様きさまたちの命はゆるしてやる。その代りに鬼が島の宝物たからものは一つも残らず献上けんじょうするのだぞ。」
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
わたしたちはちちのいいのにめちゃめちゃにのぼせ上がってしまって、食事がすむとさっそくうまやへ出かけて、わたしたちの宝物たからものをだいてやりに行った。
りっぱな宝物たからものや、金貨きんかや銀貨をつめこんだ大きなふくろが、すみからすみまで、ぎっしりとつみ重ねてありました。
ところで、この大ガラスはアッカとは仲よしでした。それでアッカは、フランメアがこういう宝物たからものを持っていることを、まえから大ガラスに聞いていたのでした。
公平な「時」は大事な宝物たからものを彼女の手から奪う代りに、その傷口もしだいに療治してくれるのである。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これは有名ゆうめいかいの火という宝物たからものだ。これは大変たいへんな玉だぞ。これをこのまま一生満足まんぞくっていることのできたものは今までに鳥に二人魚に一人あっただけだという話だ。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
老母は常日つねひごろ心掛こころがけのよい人だったゆえに、山の神さまのめぐみを受け、またはふしぎの幸運によって、思うことのなんでもかなう打出小槌うちでのこづちという宝物たからものを手に入れる。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
夫婦づれで出て来て、国王はただ羅紗ラシャの服を着て居ると云うくらいな事、家も日本で云えば中位ちゅうぐらいの西洋造り、宝物たからものを見せると云うから何かとおもったら、鳥の羽でこしらえた敷物しきものもって来て
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「向こうに見えるいわやの内に、二つの宝物たからものがあるのでござる。二人一緒に参りましょうかな?」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
長「検めたが、一寸ちょっと気になるから今一応わしが検めると云うは、祝いは千年だが、お父さまのないのちは家の重宝じゅうほうで、此の品は私が守護する大事な宝物たからものだから、私も一応検めます」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「お葉さん。お前、うしてもおらの嫁になるのはいやか。え、お葉さん。後生だから承知してれないか。おらんな山の中に棲んでるけれども、宝物たからものを沢山っているんだ。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
箱根の山を越え、沼津に到り、四方八方捜しまはり、やつと一つ、二つの美事な苗を手に入れる事が出来、そいつを宝物たからもののやうに大事に油紙に包んで、にやりと笑つて帰途についた。
清貧譚 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
宝物たからものを盗まれたり、女中が死んだりする夢が何でそんなに芽出度いのかえ」
オシャベリ姫 (新字新仮名) / 夢野久作かぐつちみどり(著)
命のそのおうらみをおやさしくおなだめになったうえ、もと神代かみよのときに、須佐之男命すさのおのみことだいじゃの尾の中からお拾いになった、あのとうといお宝物たからもの御剣みつるぎと、ほかにふくろを一つお授けになり、まん一
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
そうのことだの、馬なんかとは比較にならない宝物たからもの。———
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
宝物たからもの、恐竜の宝ものですかい」
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
宝物たからもの
ふねおかきますと、宝物たからものをいっぱいんだくるまを、いぬさきってしました。きじがつないて、さるがあとをしました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
わたしがります。」と、少年しょうねんはいいました。軽業かるわざをしていた、きたえられたからだは、やすやすとがけのぼって、かくしてあった、宝物たからものつつみをってきました。
サーカスの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「だまって、私の言う通りにすればいい。この石の下には宝物たからものがあるのだ。それをお前に分けてやろうというのだ。だから私の言う通りにおし。すぐに出て来るからな。」
「よしよし、では伴をするな。その代り鬼が島を征伐しても宝物たからものは一つも分けてやらないぞ。」
桃太郎 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「いいとも。これはうちの宝物たからものなんだから、おっかさんのだよ」そしてホモイは立ってうちの入り口の鈴蘭すずらんさきから、大粒おおつぶつゆを六つほどってすっかりお顔をあらいました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「誰がいったいこんないわやへそのような大切な宝物たからものを隠して置いたのでございましょう?」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
思えばきたないようだが、航海中は誠に調法、唯一ゆいいち宝物たからものであったのが可笑おかしい。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「それからね……妾はしかたがありませんから、宝物たからものくらのところへ連れて行ったら、黒い腕で錠前を引き切って中の宝物をすっかり運び出して、お城の外へ持って行ってしまったのですよ」
オシャベリ姫 (新字新仮名) / 夢野久作かぐつちみどり(著)
命はそれで、急いでお宝物たからもの御剣みつるぎいて、あたりの草をどんどんおなぎ払いになり、今の火打ひうちでもって、その草へ向かい火をつけて、あべこべに向こうへ向かってお焼きたてになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
いう、丹治お前も聞いて知ってるだろうが、作左衞門のうちでは道具係の奉公人を探していて、大層給金を呉れる、其の代りに何とかいう宝物たからものの皿を毀すと指を切ると云う話を聞いたが、本当かの
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この宝物たからものの力にてその家やや富有になりしに、妻なる者慾深くして、一度にたくさんの米をつかみ入れしかば、石臼はしきりに自ら回りて、ついには朝ごとに主人がこの石臼に供えたりし水の
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「いや、たぶん、きっとめずらしい宝物たからものがはいっているのだろう……べつに、わなくともよい。」と、おうさまは、わらわれて、あちらへいってしまわれました。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)
そしていちばんおしまいに、大きなふねして、宝物たからもののこらずそれにんで、おひめさまと二人ふたり、またふねって、もなく日本にっぽんくにかえってました。
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
別して芝居などは早分はやわかりがいたしますが、朝幕あさまくで紛失した宝物たからものを、一日掛って詮議せんぎを致し、夕方には屹度きっと出て、めでたし/\と云って打出しになりますから、皆様も御安心でお帰りになりますが
「悪人も悪人盗賊どもじゃ。さては宝物たからものを奪いに来たな」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あるところに、ひろはたけと、はやしと、花園はなぞのと、それにたくさんな宝物たからものっているひとんでいました。
星と柱を数えたら (新字新仮名) / 小川未明(著)
降参こうさんします、降参こうさんします。いのちだけはおたすください。そのわりに宝物たからものをのこらずさしげます。」
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
それを貴方が守ってるから、此の村ばっかりじゃアない、近郷の者までが貴方の事を何と云う、あゝ東山は偉い豪士ごうしだが、いえに伝わる大事でえじ宝物たからものだって、それを打毀ぶちこわせば指い切るの足い切るのって
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
それからこのたまみみてれば、鳥獣とりけもの言葉ことばでも、草木くさきいしころの言葉ことばでも、手にるようにかります。この二つの宝物たからもの子供こどもにやって、日本にっぽん一のかしこい人にしてください。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
すると村長そんちょうらしい老人ろうじんが、「おまえさんが、いままでけたつらい修行しゅぎょうのおかげで、あのたかがけのぼれたのだから、その宝物たからものは、だれのものでもない、おまえさんのものだ。」
サーカスの少年 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一寸法師いっすんぼうし宰相殿さいしょうどののおひめさまをれて、おにしまから宝物たからものって、めでたくかえってたといううわさが、すぐと世間せけんにひろまって、やがて天子てんしさまのおみみにまではいりました。
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そして、脊中せなかには、真綿まわたしろゆきがかかっていました。なんでもおじいさんは、灰色はいいろのはてしない野原のはらほうから、宝物たからものってやってきて、このまち子供こどもらをよろこばせようとするのでありました。
酔っぱらい星 (新字新仮名) / 小川未明(著)
きつねのふしぎな宝物たからものさずかったせいでしょうか、きつね子供こども阿倍あべ童子どうじは、なみ子供こどもちがって、まれつきたいそうかしこくて、八つになると、ずんずんむずかしいほんみはじめ
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
つき光線こうせんは、身軽みがるにどんなせまいところへもくぐりみました。またどんなもののうえへもはいまわりました。こうして乞食こじきは、つきたすけによって、たくさんの宝物たからものひろあつめることができました。
塩を載せた船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おにおおぜいつかまえておいたむすめたちの中には、池田いけだ中納言ちゅうなごんのおひめさまもじっていました。頼光らいこうおにのかすめた宝物たからものといっしょにむすめたちをつれて、めでたくみやこかえりました。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「あるいは、わたしたちのおもっているような宝物たからものではないかもしれない。」
三つのかぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこへ桃太郎ももたろうが三にんのりっぱな家来けらいに、ぶんどりの宝物たからものかせて、さもとくいらしい様子ようすをしてかえってましたので、おじいさんもおばあさんも、目もはなもなくしてよろこびました。
桃太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
かべには、カレンダーがかかっているし、へやのすみには、野球やきゅうのミットがしてあって、べつにかざりというものがなかったから、この時計とけいだけが、ただ一つひかって、宝物たからもののようにえました。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そしておにのこして行ったあたまかわは、元興寺がんこうじ宝物たからものとしてのこったそうです。
雷のさずけもの (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
このことばをくと、ぼくは、外国品がいこくひんだけに、かえって、不安ふあんがしました。いくら宝物たからもののようにだいじにしても、時計とけいであるかぎり、時間じかんがくるえば、まったく価値かちはなくなるとおもったからです。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)