“たいら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タイラ
語句割合
84.1%
平坦6.0%
2.6%
1.3%
扁平1.3%
平地0.7%
大良0.7%
安寧0.7%
平調0.7%
平静0.7%
皆平0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二万の御人数のうち、一万二千を以て、西条村の奥森のたいらを越え倉科くらしな村へかかって、妻女山に攻めかかり、明朝卯の刻に合戦を始める。
川中島合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
只今は川岸の土が崩れて余程平坦たいらになりましたが、其の頃は削りなせる断崖がけで、松柏しょうはくの根株へかしらを打付け、脳を破って血に染ったなり落ると、下を通りかゝったは荷足船で
路は組みあげたりたいらげたりしなければならないだろう。測量係りが水を蹴立てて、その岸この崖と歩いたところは、けたを渡して橋を架けねばならぬ場所でもあろう。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
白い著物きもの・白いかずら、手は、足は、すべて旅の装束いでたちである。頭より上に出た杖をついて——。このたいらに来て、森の前に立った。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ここは比較的に大きい岩が突出とっしゅつしていて、こけに包まれたる岩のおもて卓子テーブルのように扁平たいらであった。巡査は松明を片手に這い寄ると、穴の奥から不意に一個ひとつの石が飛んで来た。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ほかの弾丸たまは、弾丸帯たまおびにキチンと並んでいて、一発も撃った形跡が無いし、弁当や水筒にも手がつけてないところを見ると、源次郎氏は、あの一本榎の平地たいらへ登り着くと間もなく
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あのS岳峠の一本榎いっぽんえのきという平地たいらの一角に在る二丈ばかりの崖から、谷川にちて死んでいる実松氏の屍体したいを、夜が明けてから通りかかった兎追いの学生連中が発見して、村の駐在所に報告したので
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
近江おうみ、越前の国境くにざかいすさまじい山嘯やまつなみ洪水でみずがあって、いつも敦賀つるが——其処そこから汽車が通じていた——へく順路の、春日野峠かすがのとうげを越えて、大良たいら大日枝おおひだ山岨やまそば断崕きりぎしの海に沿う新道しんみちは、崖くずれのために
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さては安寧たいら平和やはらぎ
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いてはいけませんよ。いき平調たいらにもっておあるきなさいよ。道にまよった時はなおのこと、山は気を落ちつけて歩くにかぎります」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「年をとると、女でも顔がコワく成るで……どうかして俺は平静たいらな心を持つように、持つように、と思って……こうして毎日自分の眉を撫でるわい」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
菓子は一度買って来いと云われて、名物の鶴の子を買って来た処が、「まずいなあ」と云いながら皆平たいらげてしまって、それきり買って来いと云わない。今一つは馬鹿だということである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
徳川中興ちゅうこうの主、八代将軍吉宗よしむね、徳川最後の将軍慶喜よしのぶ、水戸烈公、徳川時代第一の賢相けんしょう松平定信、林家中興ちゅうこうの林たいら、上杉鷹山ようざん公、細川銀台公の如き、近くは井伊直弼なおすけの如き、みな養子たらざるはなし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)