“坦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たひら18.5%
たん18.5%
タヒラ11.1%
ヒラタ11.1%
たい7.4%
たいら7.4%
たひらか7.4%
ひらた7.4%
しずか3.7%
たいらか3.7%
ひら3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佐賀市を距る十数里、小城をぎを通ぜる国道と会し、往方ゆくてたひらかなること砥のごとく、しばらくにして牟田部むたべをすぐ、ここも炭坑のあるところなり。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
坂は急ならず長くもあらねど、一つつくればまたあらたにあらわる。起伏あたかも大波のごとく打続きて、いつたんならむとも見えざりき。
竜潭譚 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
白い著物・白いカツラ、手は、足は、すべて旅の裝束イデタチである。頭より上に出た杖をついて——。このタヒラに來て、森の前に立つた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
當麻路タギマヂである。一降りして又、大クダりにかゝらうとする處が、中だるみに、やゝヒラタくなつてゐた。梢の尖つたカヘの木の森。半世紀を經た位の木ぶりが、一樣に揃つて見える。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
やゝしばし上りて山上のたいらなる道となり、西することしばらくにして、山上の凹みに巣くへる白き家と緑と錯綜せるナザレのむらあらはれ出づ。
この森の中をくような道は、起伏凹凸が少く、たいらだった。がしかし、自動車の波動の自然に起るのが、波に揺らるるようで便りない。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
忽ちけはしく忽ちたひらかなる一條の曲路我等を導いてかのあなほとりふちなかばより多く失せし處にいたらしむ 七〇—七二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
道は白々と広く、夜目には、芝草のって居るのすら見える。当麻路たぎまじである。一降ひとくだりして又、大降おおくだりにかかろうとする処が、中だるみに、ややひらたくなっていた。梢のとがったかえの木の森。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
坂崎しずか氏、森口多里氏など、この研究会の幹事であったが——それから、三ヶ月、毎日、上野の図書館へ通った。
死までを語る (新字新仮名) / 直木三十五(著)
君子くんしたいらかにして蕩々とうとうたり、小人しょうじんとこしなえ戚々せきせきたり」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
その擲ぐるのはすべてひらたい竹で、子供の左の手の平を三十位びゅうびゅうと擲ぐるのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)