“ひらた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒラタ
語句割合
32.4%
平田24.3%
21.6%
扁平16.2%
5.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
膝に手を垂れ、腰をかがめて、たわむれに会釈すると、トンはよくその心を得て、前足を下して尻尾を落した。ひらたい犬の鼻と、主婦おかみの低い鼻は、畳を隔てて真直まっすぐに向い合った。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
寛斎はまた平田ひらた派の国学者である。この彼が日ごろ先輩から教えらるることは、暗い中世の否定であった。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかし日本の空気の是非なさは遠近を区別すべき些少さしょうの濃淡をもつけないので、堀割の眺望ながめはさながら旧式の芝居のひらた書割かきわりとしか思われない。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そして、そこから一段下がったまったくの底には黒い扁平ひらたい、積木をいくつも重ねたようにみえる建物があった。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
道は白々と広く、夜目には、芝草のつて居るのすら見える。当麻路たぎまぢである。一降りして又、大くだりにかゝらうとする所が、中だるみにやゝひらたくなつてゐた。稍繁つたかへの木の森がある。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)