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平
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ひらた
ふりがな文庫
“
平
(
ひらた
)” の例文
自分はこの布団を畳の上へ
平
(
ひらた
)
く敷いた。それから残る一枚を平く掛けた。そうして、
襯衣
(
シャツ
)
だけになって、その間に
潜
(
もぐ
)
り込んだ。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし日本の空気の是非なさは遠近を区別すべき
些少
(
さしょう
)
の濃淡をもつけないので、堀割の
眺望
(
ながめ
)
はさながら旧式の芝居の
平
(
ひらた
)
い
書割
(
かきわり
)
としか思われない。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
嘗
(
かつ
)
てボズさんと
辨當
(
べんたう
)
を
食
(
た
)
べた
事
(
こと
)
のある、
平
(
ひらた
)
い
岩
(
いは
)
まで
來
(
く
)
ると、
流石
(
さすが
)
に
僕
(
ぼく
)
も
疲
(
つか
)
れて
了
(
しま
)
つた。
元
(
もと
)
より
釣
(
つ
)
る
氣
(
き
)
は
少
(
すこ
)
しもない。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
(にやけた
奴
(
やつ
)
ぢや、
國賊
(
こくぞく
)
ちゆう!)と
快
(
こゝろよ
)
げに、
小指
(
こゆび
)
の
尖
(
さき
)
ほどな
黒子
(
ほくろ
)
のある
平
(
ひらた
)
な
小鼻
(
こばな
)
を
蠢
(
うごめ
)
かしたのである。
謂
(
い
)
ふまでもないが、
此
(
こ
)
のほくろは
極
(
きは
)
めて
僥倖
(
げうかう
)
に
半
(
なかば
)
は
髯
(
ひげ
)
にかくれて
居
(
ゐ
)
るので。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
巡査の
翳
(
かざ
)
す松明は
傍
(
かたえ
)
の
石壁
(
せきへき
)
を
鮮明
(
あざやか
)
に
照
(
てら
)
した。壁は元来が比較的に
平
(
ひらた
)
い所を、更に人間の手に
因
(
よ
)
って
滑
(
なめら
)
かに磨かれたらしい。
其
(
そ
)
の
面
(
おもて
)
には何さま数十行の
文字
(
もんじ
)
らしいものが
彫付
(
ほりつ
)
けてあった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
かの恐しい建物と煙突とを
聳
(
そびや
)
かしているが、これとは反対の方向に歩みを運ぶと、窓のない
平
(
ひらた
)
い倉庫の立ちつづく間に、
一条
(
ひとすじ
)
の小道が曲り込んでいて
深川の散歩
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
時に、
寂
(
ひっそ
)
りした横町の、とある軒燈籠の白い
明
(
あかり
)
と、板塀の黒い蔭とに
挟
(
はさま
)
って、
平
(
ひらた
)
くなっていた、
頬被
(
ほおかむり
)
をした伝坊が、一人、後先を
眗
(
みまわ
)
して、
密
(
そっ
)
と出て、五六歩行過ぎた、早瀬の
背後
(
うしろ
)
へ、……抜足で
急々
(
つかつか
)
。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は濃霧の海上に漂う船のように何一つ前途の方針、将来の計画もなしに、低い
平
(
ひらた
)
い板屋根と怪物のように
屈曲
(
ひねく
)
れた
真黒
(
まっくろ
)
な松の木が立っている神戸の港へ着きました。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“平”の意味
《名詞》
(たいら)でこぼこのない様子。突出や沈降のない様子。
(たいら)でこぼこのない土地。
(ひら)特別な地位を持っていない様子。接頭語的にも使用される。
(なみ)平均的。標準的。或いは平均値や標準に近い様子。優れても劣ってもいない様子。
(出典:Wiktionary)
平
常用漢字
小3
部首:⼲
5画
“平”を含む語句
平常
平生
平和
平素
平日
大平
平伏
扁平
平等
平均
平坦
平安
平地
平時
平癒
平相国
北平
地平
真平
不平
...