“石壁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いしかべ63.6%
せきへき36.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
納戸色なんどいろ、模様は薄きで、裸体の女神めがみの像と、像の周囲に一面に染め抜いた唐草からくさである。石壁いしかべの横には、大きな寝台ねだいよこたわる。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
第二十四圖だいにじゆうしずかべかゝつてゐるうしうま鹿しかなどのはかれ洞穴ほらあななか石壁いしかべりつけたり、またいたりしたうつしであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
最後に夫人も僕等も思ひ思ひに立つて踊り廻つた。洞窟の石壁せきへきに映るその影を面白がつて椅子につて居たのは晶子であつた。十二時に迎への馬車が来た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
巡査のかざす松明はかたえ石壁せきへき鮮明あざやかてらした。壁は元来が比較的にひらたい所を、更に人間の手にってなめらかに磨かれたらしい。おもてには何さま数十行の文字もんじらしいものが彫付ほりつけてあった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)