“平素”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふだん52.6%
いつも24.7%
へいそ6.2%
しょっちゅう4.1%
つね4.1%
ひごろ4.1%
しよつちゆう1.0%
しじゅう1.0%
しよつちう1.0%
しよツちゆう1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平素ふだん女房かないにいたぶられてゐる亭主は女房の不在るすに台所の隅で光つてゐる菜切庖丁なきりばうちやうや、葱の尻尾に触つてみるのが愉快で溜らぬものだ。
顕文紗けんもんしゃの十徳に薄紫の法眼袴。切下髪きりさげがみにはたった今櫛の歯を入れたばかりです。平素いつもと少しの変わりもない扮装よそおいをして居るのでした。
正雪の遺書 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そのぞうがまた、平素へいそはごくあらっぽいのに、その時ばかりは、王子をにのせたまま、おとなしくのそりのそりと歩いているのではありませんか。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
ですから、『貴様は友達の出世するのを見ても羨ましくはないか、悪踠わるあがきも好加減にしろ』なんて平素しょっちゅう御小言を頂戴するんです。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
林藏も刀の柄元を握詰め喉をいておりますから、如何どういう事かと調べになると、大藏の申立もうしたてに、平素つねからおかしいように思って居りましたが、かねて密通を致し居り
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
去る十七年の夏、偶事に因て出京せるを幸い、平素ひごろ欲望のぞみを達せん事を思い、旅寓に投じて、行李を卸すや否や、先ず主人を呼で二氏の近状を問う。
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
僕がういふ科学書生で、平素しよつちゆう其方そつちの研究にばかり頭を突込んでるものだから、あるひは僕見たやうなものに話したつて解らない、と君は思ふだらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それを御本家では平素しじゅう憎悪にくんでいるということでした。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それに君如何どうだ、細君は殆んど僕等の喰ひあましの胡蘿蔔にんじん牛蒡ごぼうにもありつかずに平素しよつちう漬物ばかりをかぢつてる、一片ひときれだつて亭主の分前わけまへに預つたことはないよ。
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
どうでせう、省吾の奴も君の御厄介に成つてるが、彼様あんな風で物に成りませうか。もう少許すこし活溌だと好いがねえ。どうも女のやうな気分の奴で、泣易くて困る。平素しよツちゆう弟にいぢめられ通しだ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)