平素ひごろ)” の例文
去る十七年の夏、偶事に因て出京せるを幸い、平素ひごろ欲望のぞみを達せん事を思い、旅寓に投じて、行李を卸すや否や、先ず主人を呼で二氏の近状を問う。
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
働き顔に上人の高徳をべ説き聞かし富豪を慫慂すゝめて喜捨せしむる信徒もあり、さなきだに平素ひごろより随喜渇仰の思ひを運べるもの雲霞の如きに此勢をもつてしたれば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「お村殿には御用人何某と人目を忍ばれさふらふ」とあざむきければ、短慮無謀の平素ひごろを、酒に弥暴いやあらく、怒気烈火のごとく心頭に発して、岸破がば蹶起はねおき、枕刀まくらがたな押取おつとりて、一文字に馳出はせい
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
働き顔に上人の高徳をべ説き聞かし富豪を慫慂すすめて喜捨せしむる信徒もあり、さなきだに平素ひごろより随喜渇仰かつごうの思いを運べるもの雲霞のごときにこの勢いをもってしたれば
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)