“岸破”の読み方と例文
読み方割合
がば100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
子爵は心に喜びつつ写真機の前に進み出で、今や鏡面レンズを開かんと構ふる時、貴婦人の頬杖はたちまくづれて、その身は燈籠の笠の上に折重なりて岸破がばと伏しぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ずるずる黒繻子くろじゅすの解くるを取って棄て、引据ひきすえ、お沢の両手をもてひしおおう乱れたる胸に、岸破がばと手を差入さしいれ
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蹴られて金眸岸破がば跳起はねおき、一声えて立上らんとするを、起しもあへず鷲郎が、襟頭えりがみはへて引据ゆれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)