“いつも”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
平生26.7%
25.0%
平常14.8%
平時7.3%
平素6.1%
平日5.2%
常時2.6%
毎時2.3%
何時1.7%
例年1.5%
(他:23)6.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この発明におやと驚ろいた妻君はそれじゃ、みんなでおとなしく御遊びなさいと平生いつもの通り針箱を出して仕事に取りかかる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そのうちに平生いつもの癖で長くは睡っていられない老婆が眼を覚したところで、おかみさんの室にものの気勢けはいがした。
狐の手帳 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
いつもことだが、この晩餐ばんさんことわたくしためには愉快ゆくわいであつたよ。
で、いつもの調子で現今政海の模様を滔々と説いて今にも内閣が代れば自分達が大臣になるやうな洞喝ほらを盛んに吹立てた。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
此の男の王仏元といふのも、平常いつも主人等の五分もすかさかいところを見聞して知つてゐるので、中々賢くなつてゐる奴だつた。
骨董 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
平常いつもの私でしたら嘲笑しながら冷かし半分にまぜっ返して聞くのが落ちですが、今は到底そんな気にはなれませんでした。
消えた霊媒女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
平時いつもはただ人の前、背後うしろわきなどにて、さまたげとならざる限り、処定めず観たりしなるを。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今日けふ平時いつもより遅く故意わざと七時過ぎに帰宅かへつて見たが矢張やはり予想通りさい元子もとこは帰つて居ない。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
瑠璃子のそうした言葉は、平素いつものように形式だけのものではなく、それに相当した感情が、ピッタリと動いていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
瑠璃子は、その朝、顔を洗つてしまふと平素いつもの通り、老婢が自分の室の机の上に置いてある郵便物を、取り上げて見た。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
産婦は蒼脹あおぶくれたような顔をしかめて、平日いつもよりは一層せつなげなうなり声を洩らしていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
いまでは平日いつもごとそとても、うちことがそれほどゝらないぐらゐになつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「お、これは白須賀様、ようおいでくだされました。さあさあ常時いつものお座敷へな、お米さんがお待ち兼ねでござんすに」
三甚内 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
だがこいつは常時いつもなのである。真実の親子でありながら、お友達のような調子なのである。とても二人ながら剽軽ひょうきんなのである。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
芸人が高座でする毎時いつもきまりきった色話だとか、仮白こわいろだとかが、それほど彼の耳を慰めるでも無かった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それにお島は今月へ入ってからも、毎時いつものその時分になっても、まだ先月から自分一人の胸に疑問になっている月のものを見なかった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
或日あるひ自分は何時いつものように滑川なめりがわほとりまで散歩して、さて砂山に登ると、おもいの外
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
はじめからこたへないときもあり、こたへるとき何時いつもこたへをするのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
その時は六月の末で、例年いつもならば投身者の多いときであるのに、どうしたのか飛び込む人がなかった。
身投げ救助業 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
が、今夜は例年いつもの暦屋も出ていない。
雪の夜 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
米国にアリス・ヘガン・ライス夫人といふ女流作者がある。この人が著作を公にすると毎度いつもうるさい程いろんな手紙が舞ひ込んで来る。
ぢい、そんでもちつた鹽梅あんべえよくなつたやうだが、いたかねえけえ」おつぎは毎度いつものやうに反覆くりかへしていた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「さあ、二郎ちゃん行こう。わたしが道を案内してあげるから、いつかは、日常いつも妾の帰りが遅いと迎いに来ておくれだったのね、今日は妾がみちを教えて上げよう。」
稚子ヶ淵 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ええ十五分ぐらい……は」と私は答えた。山の手線はまだ世間一般によく知られていないので、客車はほとんど附属つけたりのような観があった、列車の遅刻はほとんど日常いつものこととなっていた。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
と、ミハイル、アウエリヤヌヰチはいつものやうにひながら、アンドレイ、エヒミチのいへはひつてた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
雑踏ひとごみなかちよつと古本屋の前に立停ツたり、小間物店や呉服店をチラとのぞいて見たりして、いつものやうに日影町ひかげちようから春木町に出る。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
だから、今日も、彼は例日いつものように、いや、むしろ今日は進んでこの電気風呂へやって来たのだった。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
せめては冷たい一杯のアイスクリームにさらに悲しい哀傷の新らしさも味つて見やうかしら、それとも例日いつものやうに名も知れぬ黄色い三つの花の上に小さな私の霊をあづけて
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その日は、お房が入院してから一週間余に成るので、森彦も病院へ見舞に寄って、例刻いつもよりは早く自分の娘の方へ来た。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼は、自分の子が自分の自由に成らないことを考えて、その晩は定時いつもより早く、可慨なげかわしそうに寐床ねどこへ入った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
通いで来る嘉助親子も、東京の客が発つというので、その朝は定時いつもより早く橋を渡って来た。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ああ千代子は大槻と同じ室に乗るために常例いつもの室をやめたのではあるまいか、千代子はフトすると大槻と恋に陥ったのかも知れない、千代子は大槻を恋しているに違いない。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
而も其結果は恒常いつも、判で捺した様に、唯一の「死」。
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
「もしお前の手に合わなくなったら、その時わしを呼ぶがいい。それまではどれいわやの奥で日課いつもの昼寝をするとしようか」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
平次は日頃いつもになく尻込みをしております。
寛濶おうやう気質きだて故に仕事も取りはぐり勝で、好い事は毎〻いつもひとに奪られ年中嬉しからぬ生活くらしかたに日を送り月を迎ふる味気無さ、膝頭の抜けたを辛くも埋め綴つた股引ばかり我が夫に穿かせ置くこと
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
歩くでもなく、進むでもなく、何ものかに引かれるように、何ものかに押されるように、毎夜いつものように、ここまで来てしまったのだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
毎常いつもの夕飯がうまく喰われる、永くなる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
新座敷の方の庭から、丁字形に入込んでいる中庭に臨んだ主人の寝室ねまを、お島はある朝、毎朝いつもするように掃除していた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「女王」といふのは毎歳いつもの村祭に、山車だしの上にさつて花輪を捧げ持つ、子供達の王様を謂ふのでした。
女王 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)