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例
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いつも
ふりがな文庫
“
例
(
いつも
)” の例文
成るべくは親元身請にいたし、幾分でもそこのところを安くと考えていらっしゃるんですから、中々お酒も
例
(
いつも
)
のように召あがらない。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
三四郎は
是
(
これ
)
で云へる丈の事を
悉
(
ことごと
)
く云つた積りである。すると、女はすこしも刺激に感じない、しかも、
例
(
いつも
)
の如く男を酔はせる調子で
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
確かに兄は起きてゐたのにと
訝
(
いぶか
)
りながら、勝代は
手索
(
てさぐ
)
りでマツチを搜して、ランプを點けて見ると、兄は
例
(
いつも
)
の所に寢てゐなかつた。
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
其時も叔父は、私にお
銭
(
あし
)
を呉れる事を忘れなかつた。母は
例
(
いつも
)
の如く不興な顔をして叔父を見てゐたが、
四周
(
あたり
)
に人の居なくなつた時
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
平次の態度には
例
(
いつも
)
に似気なく真剣なところがあるので、無駄の多いガラッ八も、さすがに口を
緘
(
つぐ
)
んで、親分の顔を見上げました。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
医者は友達の顔を見ると、
例
(
いつも
)
のやうに新聞売子がうるさくて、しみ/″\エマアソンが読めないのが何よりも残念だと話をした。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
例
(
いつも
)
の
如
(
ごと
)
く台処から炭を
持出
(
もちいだ
)
して、お前は喰ひなさらないかと聞けば、いいゑ、とお京の
頭
(
つむり
)
をふるに、では己ればかり
御馳走
(
ごちそう
)
さまに成らうかな
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
復た
例
(
いつも
)
の癖が初まったナと思いつつも、二葉亭の権威を傷つけないように
婉曲
(
えんきょく
)
に言い廻し、僕の推察は誤解であるとしても
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
もう暗い冬の
日光
(
ひかげ
)
の照りやんだ暮れ方だからまだしもだとはいいながら今さらにお宮の姿が見る影もなくって、
例
(
いつも
)
のお召の羽織はまあいいとして
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
私
(
わたくし
)
は
夕食後
(
ゆふしよくご
)
例
(
いつも
)
のやうに
食堂
(
しよくだう
)
上部
(
じやうぶ
)
の
美麗
(
びれい
)
なる
談話室
(
だんわしつ
)
に
出
(
い
)
でゝ、
春枝夫人
(
はるえふじん
)
に
面會
(
めんくわい
)
し、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
には
甲比丹
(
カピテン
)
クツクの
冐瞼旅行譚
(
ぼうけんりよかうだん
)
や、
加藤清正
(
かとうきよまさ
)
の
武勇傳
(
ぶゆうでん
)
や
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それからは
茅萱
(
ちがや
)
の音にも、
最
(
も
)
うお
帰
(
かえり
)
かと、待てど暮らせど、大方
例
(
いつも
)
のにへにならつしやつたのでござらうわいなう。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
例
(
いつも
)
のやう縁に立つて、狭い庭、垣の外の空地、崖で境してゐる前の家、後の家と、見るともなく眼を漂はした。
秋の第一日
(新字旧仮名)
/
窪田空穂
(著)
中央
(
ちうあう
)
の
大
(
おほ
)
きな
洲
(
す
)
から
續
(
つゞ
)
く
淺瀬
(
あさせ
)
に
支
(
さゝ
)
へられて
船
(
ふね
)
は
例
(
いつも
)
の
處
(
ところ
)
へは
着
(
つ
)
けられなく
成
(
な
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
只
(
たゞ
)
一人
(
ひとり
)
の
乘客
(
じようかく
)
である
勘次
(
かんじ
)
は
船頭
(
せんどう
)
の
勝手
(
かつて
)
な
處
(
ところ
)
へおろされたやうに
思
(
おも
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
僕は
土蔵
(
くら
)
の石段に腰かけて
例
(
いつも
)
の
如
(
ごと
)
く
茫然
(
ぼんやり
)
と庭の
面
(
おもて
)
を
眺
(
なが
)
めて居ますと、夕日が斜に庭の
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
に
射
(
さ
)
し
込
(
こん
)
で、さなきだに静かな庭が、
一増
(
ひとしお
)
粛然
(
ひっそり
)
して、
凝然
(
じっ
)
として
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
『
左様
(
さう
)
か、まだ働いてるか。それから
彼
(
あ
)
の……何か……母さんはまた
例
(
いつも
)
のやうに怒つてやしなかつたか。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
すると、
即
(
やが
)
て
慄然
(
ぞっ
)
として
眠
(
ねむ
)
たいやうな
氣持
(
きもち
)
が
血管中
(
けっくわんぢゅう
)
に
行渡
(
ゆきわた
)
り、
脈搏
(
みゃくはく
)
も
例
(
いつも
)
のやうではなうて、
全
(
まった
)
く
止
(
や
)
み、
生
(
い
)
きてをるとは
思
(
おも
)
はれぬ
程
(
ほど
)
に
呼吸
(
こきふ
)
も
止
(
とま
)
り、
體温
(
ぬくみ
)
も
失
(
う
)
する。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
お吉は夫の顔を見て、
例
(
いつも
)
の癖が出て来たかと困つた風情は仕ながらも
自己
(
おのれ
)
の胸にものつそりの憎さがあれば、
幾分
(
いくら
)
かは清が言葉を
道理
(
もつとも
)
と聞く傾きもあるなるべし。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
婆
(
ばあ
)
や婆やといたはつて下ださる
平生
(
いつも
)
の
貴嬢
(
あなたさま
)
の様にも無い——今日も奥様が
例
(
いつも
)
の御小言で、貴嬢の御納得なさらぬのは
私
(
わたし
)
が御側で悪智恵でも御着け申すかの御口振
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
彼女は先妻の幸子が、いつもの癖で、ずかずか上り込んで来て、
例
(
いつも
)
のくせで、朝、起きはぐれているところを、荒い足音で、わざと目をさまさせられたのを
憤
(
いきどお
)
った。
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
牧師はやをら身を起して講壇に登つたが、
例
(
いつも
)
の黒い
運動着
(
スウェター
)
が又眼に付く。松崎には似合つた代物だが、松崎牧師としては不似合極まると心の顏をしかめながら思つた。
半日
(旧字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
ここに川縁の広い沙原——
下樺
(
しもかんば
)
という——を見つけて、今夜の野営を張ることにした、床は
栂
(
つが
)
の葉で
布
(
し
)
き敷めた、屋根は
例
(
いつも
)
の油紙である、疲れた足を投げ出して、荷の整理にかかる
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
或日、私は
例
(
いつも
)
の
如
(
よ
)
うに午食後、食堂に残って主人の相手になって無駄話に耽っていた。ふと、いなくなった「彼」の事を思い出して、主人にあのセルヴィヤ人は何うしたろうと、訊いて見た。
二人のセルヴィヤ人
(新字新仮名)
/
辰野隆
(著)
ある
日
(
ひ
)
私
(
わたくし
)
が
御神前
(
ごしんぜん
)
で、
例
(
いつも
)
の
通
(
とお
)
り
深
(
ふか
)
い
精神統一
(
せいしんとういつ
)
の
状態
(
じょうたい
)
に
入
(
はい
)
って
居
(
い
)
た
時
(
とき
)
でございます、
意外
(
いがい
)
にも
一人
(
ひとり
)
の
小柄
(
こがら
)
の
女性
(
じょせい
)
がすぐ
眼
(
め
)
の
前
(
まえ
)
に
現
(
あら
)
われ、いかにも
優
(
や
)
さしく、
私
(
わたくし
)
を
見
(
み
)
てにっこりと
微笑
(
ほほえ
)
まれるのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
シカシ
人足
(
ひとあし
)
の留まるは
衣裳附
(
いしょうづけ
)
よりは
寧
(
むし
)
ろその態度で、髪も
例
(
いつも
)
の束髪ながら何とか結びとかいう手のこんだ束ね方で、大形の
薔薇
(
ばら
)
の
花挿頭
(
はなかんざし
)
を
挿
(
さ
)
し、本化粧は自然に
背
(
そむ
)
くとか云ッて薄化粧の
清楚
(
せいそ
)
な作り
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
翌日、私は師匠の家で、
例
(
いつも
)
の通り仕事をしている。
幕末維新懐古談:25 初めて博覧会の開かれた当時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「
例
(
いつも
)
の通り、眼を
瞑
(
つぶ
)
って神様に祈っていたのさ。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
着
(
きせ
)
たる奴はお前も知ての
那
(
あ
)
の
藪醫者
(
やぶいしや
)
長庵
坊主
(
ばうず
)
に
相違
(
さうゐ
)
無し
斯
(
か
)
うばかりでは
譯
(
わか
)
らぬが
算
(
かぞ
)
へて見れば八年
跡
(
あと
)
八月廿八日に
寅刻
(
なゝつ
)
起
(
おき
)
して三日ゆゑ
例
(
いつも
)
の通り平川の
天神樣
(
てんじんさま
)
へ參詣に
出掛
(
でかけ
)
た處か
早過
(
はやすぎ
)
て
往來
(
ゆきゝ
)
の人はなし
雨
(
あめ
)
は
頻
(
しき
)
りに
強
(
つよ
)
く
降
(
ふり
)
困
(
こま
)
つたなれど
信心
(
しんじん
)
參り少しも
厭
(
いと
)
はず參詣なし
裏門
(
うらもん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
健は
例
(
いつも
)
の樣に
亭乎
(
すらり
)
とした體を少し
反身
(
そりみ
)
に、
確乎
(
しつかり
)
した歩調で歩いて、行き合ふ
兒女
(
こども
)
等の會釋に微笑みながらも、始終思慮深い目附をして
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
幸
(
さいわい
)
にその日は十一時頃からからりと晴れて、垣に
雀
(
すずめ
)
の鳴く
小春日和
(
こはるびより
)
になった。宗助が帰った時、御米は
例
(
いつも
)
より
冴
(
さ
)
え
冴
(
ざ
)
えしい顔色をして
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
平次の態度には
例
(
いつも
)
に似気なく真剣なところがあるので、無駄の多いガラッ八も、さすがに口を
緘
(
つぐ
)
んで、親分の顔を見上げました。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
佐藤氏は
面目
(
めんもく
)
なささうな表情をして、子供のやうな内田氏の顔を見た。内田氏は内田氏で
極
(
きま
)
り悪さうにもぢ/\しながら
例
(
いつも
)
の
慇懃
(
いんぎん
)
な
口風
(
くちぶり
)
で言つた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
月「
昨宵
(
ゆうべ
)
ね少し飲過ぎてお客のお帰んなすったのも知らないくらいに酔い
潰
(
つぶ
)
れたが、
例
(
いつも
)
のきまりだから仕方がない」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
この異体同心の無二の味方を得て、主税も何となく
頼母
(
たのも
)
しかったが、さて風はどこを吹いていたか、半月ばかりは、英吉も
例
(
いつも
)
になく顔を見せなかった。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
壁鼠とでもいうのか、くすんだ地に薄く
茶糸
(
ちゃ
)
で七宝繋ぎを織り出した
例
(
いつも
)
のお召の羽織に矢張り之れもお召の沈んだ
小豆色
(
あずきいろ
)
の派手な矢絣の薄綿を着ていた。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
お吉は夫の顔を見て、
例
(
いつも
)
の癖が出て来たかと困った風情はしながらも自己の胸にものっそりの憎さがあれば、幾らかは清が言葉を
道理
(
もっとも
)
と聞く傾きもあるなるべし。
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
驚
(
おどろ
)
いて
見
(
み
)
かへるに
暴
(
あば
)
れ
者
(
もの
)
の
長吉
(
ちようきち
)
、いま
廓内
(
なか
)
よりの
歸
(
かへ
)
りと
覺
(
おぼ
)
しく、
浴衣
(
ゆかた
)
を
重
(
かさ
)
ねし
唐棧
(
とうざん
)
の
着物
(
きもの
)
に
柿色
(
かきいろ
)
の三
尺
(
じやく
)
を
例
(
いつも
)
の
通
(
とほ
)
り
腰
(
こし
)
の
先
(
さき
)
にして、
黒
(
くろ
)
八の
襟
(
ゑり
)
のかゝつた
新
(
あた
)
らしい
半天
(
はんてん
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
サ、サ、それよりは
稻妻
(
いなづま
)
も
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
たから、
例
(
いつも
)
の
樣
(
やう
)
に
海濱
(
うみべ
)
へでも
行
(
い
)
つて、
面白
(
おもしろ
)
く
遊
(
あそ
)
んでお
出
(
い
)
で。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
で、
例
(
いつも
)
の調子で現今政海の模様を滔々と説いて今にも内閣が代れば自分達が大臣になるやうな
洞喝
(
ほら
)
を盛んに吹立てた。なにしろ大洞福弥の洞喝と来たら名代のものだから子。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
「
何
(
なん
)
だんべ」
勘次
(
かんじ
)
はふつと
彼
(
かれ
)
の
平生
(
へいぜい
)
に
還
(
かへ
)
らうとして
例
(
いつも
)
の
不安
(
ふあん
)
らしい
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つておつたを
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
自分が眠っている間に出かけられては残念な気がしたので、
例
(
いつも
)
よりも早目に炬燵を出た。
入江のほとり
(新字新仮名)
/
正宗白鳥
(著)
その日は岸本も
例
(
いつも
)
より早く二階を仕舞って家の方へ帰って行った。丁度家の
格子戸
(
こうしど
)
の前で、古い池の方から長い黐竿を
提
(
さ
)
げて戻って来る二人の子供と一緒に成った。一郎と繁だ。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
伯母は
怪訝
(
けげん
)
な目して
良久
(
しばし
)
篠田を見つめしが「——又た明日ゆつくり話しませう、疲れたらうに早くお
寝
(
やす
)
み、
例
(
いつも
)
の所にお前の床がある、——気候が寒いで、
風邪
(
かぜ
)
でも引かれると大変だ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
乘りあひの者は一時に笑つた、
例
(
いつも
)
の通り船頭が口をだした。
佃のわたし
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
智恵子は考へ深い眼を足の爪先に落して、
帰路
(
かへりぢ
)
を急いだが、其心にあるのは、
例
(
いつも
)
の様に、今日一日を
空
(
むだ
)
に過したといふ悔ではない。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
幸
(
さいはひ
)
に
其
(
その
)
日
(
ひ
)
は十一
時頃
(
じごろ
)
からからりと
晴
(
は
)
れて、
垣
(
かき
)
に
雀
(
すゞめ
)
の
鳴
(
な
)
く
小春日和
(
こはるびより
)
になつた。
宗助
(
そうすけ
)
が
歸
(
かへ
)
つた
時
(
とき
)
、
御米
(
およね
)
は
例
(
いつも
)
より
冴
(
さ
)
え/″\しい
顏色
(
かほいろ
)
をして
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その子供が
先日
(
こなひだ
)
学校で貰つた賞品を抱へて、
例
(
いつも
)
のやうに大学の構内を通りかゝつた。すると、
擦違
(
すれちが
)
つた大学生の一人が
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あいにく
例
(
いつも
)
のように話しもしないで、ずかずか酒井が
歩行
(
ある
)
いたので、とこう云う
間
(
ひま
)
もなかった、早や我家の路地が。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大「いや/\御殿では
却
(
かえ
)
って話が出来ん、其の方
例
(
いつも
)
の係り役人に
遇
(
あ
)
っても、必らず当家へ来たことを云わんように」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と、長田の
例
(
いつも
)
の乱筆で、汚い新聞社の原稿紙に、いかにも
素気
(
そっけ
)
なく書いてある。私は、それを見ると、銭の入っていない失望と同時に「はっ」と胸を打たれた。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
毎日毎日通学するのだがネ。
爰
(
ここ
)
に
或
(
ある
)
朝偶然大真理を発見する種になる事に出逢ッたのサ。ちょうど或朝少し後れて家を出たが、時間が
例
(
いつも
)
より後れたから駈出したのサ。
ねじくり博士
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
例
常用漢字
小4
部首:⼈
8画
“例”を含む語句
慣例
例之
例令
常例
定例
例外
例年
例日
通例
先例
實例
比例
恒例
例証
実例
惡例
例刻
其例
好例
吉例
...