“小春日和”の読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
こはるびより100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お雪はふるえ上って思わず小庭の方を見廻しましたが、小春日和こはるびよりうららかで、子をひきつれた鶏が、そこでもククと餌を拾っているばかり。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
小春日和こはるびよりの暖かさに沿道の樹々の色も美しく輝いていましたが、木村さんは先へ心がくと見えて、あまり口をききませんでした。
暗夜の格闘 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
さいはひそのは十一時頃じごろからからりとれて、かきすゞめ小春日和こはるびよりになつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この時はちょうど午後一時ごろで冬ながら南方温暖の地方ゆえ、小春日和こはるびよりの日中のようで、うらうらと照る日影は人の心も筋もけそうになまあたたかに
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
その日、産声うぶごえが室に響くようなからりと晴れた小春日和こはるびよりだったが、翌日からしとしとと雨が降り続いた。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
上等の小春日和こはるびよりで、今日も汗ばむほどだったが、今度は外套を脱いで、杖のさきには引っ掛けなかった。ると、案山子かかしを抜いて来たと叱られようから。
若菜のうち (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
冬はすぐ其処まで来ているのだけれど、まだそれを気づかせないような温かな小春日和こはるびよりが何日か続いていた。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
さいわいにその日は十一時頃からからりと晴れて、垣にすずめの鳴く小春日和こはるびよりになった。宗助が帰った時、御米はいつもよりえしい顔色をして、
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
昨日は久々につたないながら句が浮んだので、今日、めずらしく晴れた小春日和こはるびよりの縁に出て、短冊にその句を認めてから、わしは庭下駄をはき、杖をとって庭園に出てみた。
(新字新仮名) / 富田常雄(著)
小春日和こはるびよりあたたかなのこと、おつは、またこうのところへやってきました。
自分で困った百姓 (新字新仮名) / 小川未明(著)