“小春”の読み方と例文
読み方割合
こはる100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
静かにさす午後の日に白くひかって小虫こむしが飛ぶ。蜘糸くものいの断片が日光の道を見せてひらめく。甲州の山は小春こはるそらにうっとりとかすんで居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
裂けばけぶ蜜柑みかんの味はしらず、色こそ暖かい。小春こはるの色は黄である。点々とたまつづる杉の葉影に、ゆたかなる南海の風は通う。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小春こはる日和ひよりをよろこび法華経寺へお参りした人たちが柳橋を目あてに、右手に近く見える村の方へと帰って行くのであろう。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)