“正月”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうがつ45.2%
しやうぐわつ26.2%
はる9.5%
しようがつ7.1%
むつき2.4%
しょうつ2.4%
しようぐわつ2.4%
せうがつ2.4%
せうぐわつ2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは、正月しょうがつのことでありました。学校がっこう十日とおかあまりやすみがあった、そのあとのことです。学校がっこうへゆくと、水野みずの姿すがたえませんでした。
青いボタン (新字新仮名) / 小川未明(著)
正月しやうぐわつまへひかえたかれは、實際じつさいこれといふあたらしい希望きばうもないのに、いたづらに周圍しうゐからさそはれて、なんだかざわ/\した心持こゝろもちいだいてゐたのである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そのころ柳沢はどっか神楽坂かぐらざかあたりにも好いのが見つかったと思われて、正月はる以来好いあんばいにお宮のことは口にしなくなっていた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
普通ふつうかんがへでは、はる正月しようがつとが一致いつちするものとしてあります。これは、習慣しゆうかんから心持こゝろもちであります。ところがときとすると、こよみうへにさういつたちがひが出來できます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
僧かと見れば僧でもなく俗かと見れば僧のようでもある。季節は早春の正月むつきだというのに手に渋団扇しぶうちわを持っている。脛から下は露出むきだしで足に穿いたのは冷飯草履ひやめしぞうり
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この処を能々よくよく考え、この一粒も先祖の御蔭と申すことを寝ても覚めても忘るる事なく、その正月しょうつき命日には先祖の事を思い出し、身を潔くし体を清めこれを祭り奉りなどすべし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ないこれにかゝりてれはなにぞとふに、らずや霜月しもつきとりれい神社じんじや欲深樣よくふかさまのかつぎたまれぞくまくだごしらへといふ、正月しようぐわつ門松かどまつとりすつるよりかゝりて、一ねんうちとほしのれはまこと商賣人しようばいにん
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わたし正月せうがつ部屋へやへかけておきたいですが、なにいてください。」
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
ねえさんとばるれば三すけおとゝのやうに可愛かあゆく、此處こゝ此處こゝへとんでかほのぞいて、さぞとゝさんが病氣びやうきさびしくらかろ、お正月せうぐわつきにればあねなんつてげますぞえ
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)