“東風”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
こち75.7%
とうふう8.1%
したけ2.7%
たつみ2.7%
ひがし2.7%
ひがしかぜ2.7%
エウルス2.7%
コチ2.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東風こち吹かばにおいおこせよ梅の花、あるじなしとて春を忘るな」という古歌は、これを詠んだのだという説もあるが、真偽は保証の限りでない。
えぞおばけ列伝 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
冬中とざされてあったすすけた部屋の隅々すみずみまで、東風こちが吹流れて、町に陽炎かげろうの立つような日が、幾日いくかとなく続いた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「あの東風こちと云うのをおんで読まれると大変気にするので」「はてね」と迷亭先生は金唐皮きんからかわ煙草入たばこいれから煙草をつまみ出す。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たしか暮の二十七日と記憶しているがね。例の東風とうふうから参堂の上是非文芸上の御高話を伺いたいから御在宿を願うと云うれがあったので、朝から心待ちに待っていると先生なかなか来ないやね。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
春は九十日の東風とうふうを限りなく得意のひたいに吹くように思われた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それではまず東風とうふうって約束通り話しをして
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
晴れた穏かな日の昼頃から久し振りに春めいた暖い南風が訪れ、空は次第に薄白く曇り始めて、夕方になると風はうすら寒い東風したけに変る。
山と村 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
「十一月二十日は甲子きのえねにあたる。この日にかけて祭すれば、三日三夜のうちに東風たつみが吹き起りましょう。南屏山なんびょうざんの上に七星壇せいだんを築かせて下さい。孔明の一心をもって、かならず天より風を借らん」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「でも、親分、首っ縊りのブラ下がったのはちょうど橋の真ん中ですぜ。東風ひがしが吹けば死骸のすそ武蔵むさしへ入るし、西風にしが吹けばびんのほつれ毛が、下総しもうさへなびく」
この東風ひがしかぜいてために、輕氣球けいきゝゆうは、たちま進行しんかう方向ほうかうへんじて、今度こんどは、りく方面ほうめんからなゝめに、海洋かいやうほうへときやられた。
言海に「山瀬やませ〔山の背ヨリ吹ケバイフ〕東風コチの異名。(津軽)」とある。
津軽地方特有の俚諺 (新字旧仮名) / 福士幸次郎(著)