東風とうふう)” の例文
一四三頼朝よりとも東風とうふうきそひおこり、一四四義仲よしなか北雪ほくせつをはらうて出づるに及び、平氏の一門ことごとく西の海にただよひ、つひに讃岐の海志戸一四五八嶋にいたりて
例の東風とうふうから参堂の上是非文芸上の御高話を伺いたいから御在宿を願うと云うれがあったので、朝から心待ちに待っていると先生なかなか来ないやね。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
天王ヂュウスの黒雲の中より飛べる東風とうふう
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
それではまず東風とうふうって約束通り話しをして、それから出直そうと云う気になってついにうちへ帰ったのさ
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
天地はこの有望の青年に対して悠久ゆうきゅうであった。春は九十日の東風とうふうを限りなく得意のひたいに吹くように思われた。小野さんはやさしい、物にさからわぬ、気の長い男であった。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
撓り按排あんばいが実に美的である。首がかかってふわふわするところを想像して見ると嬉しくてたまらん。是非やる事にしようと思ったが、もし東風とうふうが来て待っていると気の毒だと考え出した。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)