“甲子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きのえね59.1%
こうし13.6%
きね9.1%
かっし9.1%
かし4.5%
かふじ4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夢の間に軒の花菖蒲はなしょうぶも枯れ、その年の八せんとなれば甲子きのえねまでも降続けて、川の水も赤く濁り、台所の雨も寂しく、味噌もびました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
菊の花をして、薄い海苔のりのように一枚一枚に堅めたものである。精進しょうじん畳鰯たたみいわしだと云って、居合せた甲子こうしが、さっそくひたしものに湯がいて、はしくだしながら、酒を飲んだ。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
此上甲子きね太郎のあごを取つたところで、大した收獲がありさうもないと見ると、平次は番頭の吉兵衞を呼んで、家中を案内させました。
下谷叢話したやそうわ』ハはじめ下谷のはなしト題シテ大正甲子かっしノ初春ヨリ初稿しょこうノ前半ヲ月刊ノ一雑誌ニ連載シタリシヲ同年ノ冬改竄かいざんスルニ当リテクハ改題セシナリ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
甲子かし温泉に滯在する中、一日白河へとて、田中桃葉と共に山を下りけるに、白河の青年藤田虎太、長谷部英一、同英吉の三氏後より追付き來りて、共にす。
白河の七日 (旧字旧仮名) / 大町桂月(著)
甲子かふじ温泉の谷は渓谷としてはかなりにすぐれてゐるが、入つて行くのには、ちよつと億劫である。
行つて見たいところ (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)