“辛未”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かのとひつじ50.0%
しんび50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
初平三年の辛未かのとひつじ、十一月七日の夜だった。巨星は果たして地に墜ちたのだ。夜もすがら万梢悲々ばんしょうひひ霜風そうふうにふるえて、濃き血のにおいとともに夜はあけた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
辛未かのとひつじ、皇太子、使をまたして飢者を視しむ。使者かへり来て曰く、飢者既にまかりぬ。ここに皇太子おほいこれを悲しみ、則ちりて以て当処そのところほふりをさめしむ。つかつきかたむ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
宝暦紀元辛未しんびの年二十四歳にして始て江戸に来り芝三島町に家塾を開いたが宝暦十年二月の大火にい、身を以て免れ日本橋浜町はまちょう山伏井戸の近くに移居した。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
曇華どんげ水子すいし、文化八年辛未しんびじゅん二月十四日」とあるのも、ならびに皆允成のむすめである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)