甲子こうし)” の例文
菊の花をして、薄い海苔のりのように一枚一枚に堅めたものである。精進しょうじん畳鰯たたみいわしだと云って、居合せた甲子こうしが、さっそくひたしものに湯がいて、はしくだしながら、酒を飲んだ。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
本年三十二歳、甲子こうしノ年、乙丑いつじゅうノ月、丙寅へいいんノ日、丁卯ていぼうノ時刻に生れました。……が先生、金が入るとか、損するとか、そんな日常茶飯事は、貴筮きぜいに伺う必要はありません。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
辛酉しんゆう甲子こうしとしには、年号をかえる旧例があり、それにならったものである。