“廓内”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かくない39.3%
くるわうち28.6%
なか17.9%
くるわない7.1%
くるわ3.6%
カクナイ3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
敵性人は絶対にいないはずの廓内かくないでも、防諜上には、日夜細心な警戒を怠っていない。これだけは例外なく、どこの城も同じといえる。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうした舞妓時代を経ないものは、祇園の廓内くるわうちでも好い位置を保てないのが不文の規則なのだ。出入りのお茶やにも格があったのだ。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
お前は知らないか美登利さんの居る処を、己れは今朝から探してゐるけれど何処どこゆつたか筆やへも来ないと言ふ、廓内なかだらうかなと問へば
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「へえへえ。三ツ屋の亭主ならば手前でござります。いつもながら御健勝に渡らせられまして、廓内くるわないの者一統悦ばしき儀にござります。近頃は一向イタチの道で、いや、一向五丁町へお越し遊ばされませぬが何か——」
別世界は別世界相応の話柄はなしの種も尽きぬものか、朋輩ほうばい悪評わるくちが手始めで、内所の後評かげぐち廓内くるわの評判、検査場で見た他楼よその花魁の美醜よしあし、検査医の男振りまで評し尽して、後連あとれんとさし代われば
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
ソレト共ニ『パチノ』ノ墓穴ニ関スル重要書類ハ紛失シ、只本国ヘ送リタル二三ノ通信ト『パチノ』ノ墓穴廓内カクナイノ建築図トヲ残スノミナリ——というのです。聞いてますか、青竜王せんせい
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)