“くるわない”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
郭内50.0%
廓内50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寒川さむかわ五反保ごたんぼを濠として、その郭内くるわないに、侍屋敷の門をならべ、丘の猪鼻台いのはなだいに、一族の館を持っている千葉介常胤ちばのすけつねたねなども、当然、そうであった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして不意ふいにとりでの郭内くるわないにあらわれ、岩くだきの強薬ごうやく爆発ばくはつさせて、とりでにるすいをしているやつらがあわてさわぐまに、小太郎山こたろうざんを乗っとってしまう! むろん
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
迷子札まいごふだのような門鑑もんかん番士ばんしにしめして、その夜、しもにあったキリギリスみたいに、ビッコをひいた蛾次郎がじろうが、よろよろと躑躅つつじさき郭内くるわないにあるお長屋ながやへ帰ってきたのは、もうだいぶな夜更よふけであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「へえへえ。三ツ屋の亭主ならば手前でござります。いつもながら御健勝に渡らせられまして、廓内くるわないの者一統悦ばしき儀にござります。近頃は一向イタチの道で、いや、一向五丁町へお越し遊ばされませぬが何か——」
年景の声に、廓内くるわない跫音あしおとにみだれ合った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)