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郭内
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くるわない
寒川、
五反保を濠として、その
郭内に、侍屋敷の門をならべ、丘の
猪鼻台に、一族の館を持っている
千葉介常胤なども、当然、そうであった。
そうして
不意にとりでの
郭内にあらわれ、岩くだきの
強薬を
爆発させて、
砦にるすいをしているやつらがあわてさわぐまに、
小太郎山を乗っとってしまう! むろん
迷子札のような
門鑑を
番士にしめして、その夜、
霜にあったキリギリスみたいに、ビッコをひいた
蛾次郎が、よろよろと
躑躅ヶ
崎の
郭内にあるお
長屋へ帰ってきたのは、もうだいぶな
夜更けであった。