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扁
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ひらた
ふりがな文庫
“
扁
(
ひらた
)” の例文
またいう、コンモードは水陸ともに棲む、
長
(
たけ
)
十五フィート周十八インチ、頭
扁
(
ひらた
)
く
濶
(
ひろ
)
く、尾細長くて
尖
(
とが
)
る、褐色で脊と脇に栗色を点す。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
膝に手を垂れ、腰を
屈
(
かが
)
めて、
戯
(
たわむれ
)
に会釈すると、トンはよくその心を得て、前足を下して尻尾を落した。
扁
(
ひらた
)
い犬の鼻と、
主婦
(
おかみ
)
の低い鼻は、畳を隔てて
真直
(
まっすぐ
)
に向い合った。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
訝
(
をかし
)
な事には、少し離れて寫すと、顏が長くなつたり、
扁
(
ひらた
)
くなつたり、目も鼻も
歪
(
ゆが
)
んで見えるのであつたが、お定は
幼
(
おさな
)
心に、これは鏡が餘り大き過ぎるからだと考へてゐたものだ。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ですから生れ附の縮毛には必ず何所かに
扁
(
ひらた
)
い所が有る、若し夫が無ければ本統の縮毛では無い、所で私しが此毛を
疏末
(
そまつ
)
な顕微鏡に掛けて
熟
(
よ
)
っく視ました所
根
(
もと
)
から
梢
(
すえ
)
まで満遍なく円い
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
おそらく扁穿とは
扁
(
ひらた
)
き芽が土を穿って出るとの意味ではないかと思う。
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
▼ もっと見る
これすなわち海蛇で鰻様に横
扁
(
ひらた
)
き尾を具え海中に限って住むがインド洋太平洋とその近海に限る、およそ五十種あり(第六図)。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
大きな
折烏帽子
(
おりえぼし
)
が、妙に小さく見えるほど、頭も顔も大の悪僧の、鼻が
扁
(
ひらた
)
く、口が、例の
喰
(
くい
)
しばった
可恐
(
おそろ
)
しい、への字形でなく、唇を下から上へ、への字を反対に
掬
(
しゃく
)
って
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
訝
(
をかし
)
な事には、
少許
(
すこし
)
離れて写すと、顔が長くなつたり、
扁
(
ひらた
)
くなつたり、目も鼻も歪んで見えるのであつたが、お定は幼心に、これは鏡が余り大き過ぎるからだと考へてゐたものだ。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
鼻に長き鬚あり尾
扁
(
ひらた
)
くして
蝦
(
えび
)
(または
蝗
(
いなご
)
)に似、大きさ鯨のごとく両側に足多く外見あたかもトリレミスのごとく海を
游
(
およ
)
ぐ事
駛
(
はや
)
しと、トリレミスとは
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
扁
(
ひらた
)
い、
膩
(
あぶら
)
ぎつた、赤黒い顔には、深く刻んだ縦皺が、真黒な眉と眉の間に一本。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
年紀
(
とし
)
七十
(
ななそじ
)
あまりの、髪の
真白
(
まっしろ
)
な、顔の
扁
(
ひらた
)
い、年紀の割に
皺
(
しわ
)
の少い、色の黄な、耳の遠い、
身体
(
からだ
)
の
臭
(
にお
)
う、骨の軟かそうな、
挙動
(
ふるまい
)
のくなくなした、なおその
言
(
ことば
)
に従えば、
金色
(
こんじき
)
に目の光る
嫗
(
おうな
)
とより
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
右の話にあるヴァラヌスは、アフリカから濠州まで産する大蜥蜴で、まず三十種ある、第五図はナイル河に住み、水を
游
(
およ
)
ぐため尾が横
扁
(
ひらた
)
い。
鱷
(
がく
)
の卵を
貪
(
むさぼ
)
り食うから土人に愛重さる。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
母と叔父とは、齢も
十
(
とを
)
以上違つて居たし、青い面長と
扁
(
ひらた
)
い
赤良顔
(
あからがほ
)
、鼻の恰好が
稍
(
やや
)
肖
(
に
)
てゐた位のものである。背の
婷乎
(
すらり
)
とした、髪は少し赤かつたが、若い時は十人並には見えたらうと思はれる
容貌
(
かほかたち
)
。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
かえって百人一首中なる大宮人の
生
(
はや
)
したそれのように、見る者をして古代優美の感を起さしむる、ただしちと四角な顔で、唇は厚く、鼻は
扁
(
ひらた
)
い、とばかりでは甚だ野卑に、且つ下俗に聞えるけれども
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
聢
(
しか
)
と認めがたけれど大抵青大将という蛇に似たり、この蛇水中にて人の手足を
纏
(
まと
)
えど捕り殺す事を聞かず。また出羽最上川に薄黒くして
扁
(
ひらた
)
き小蛇あり、
桴
(
いかだ
)
に附いて人を捕り殺すという。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
出家も、
扁
(
ひらた
)
くはあるが、ふっくりした頬に
笑
(
えみ
)
を含んで
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
扁
(
ひらた
)
く見せたりしてゐる。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
扁
(
ひらた
)
く見せたりしてゐる。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
扁
漢検1級
部首:⼾
9画
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