扁平たいら)” の例文
新しく掘り返されたような土壌つちと、根を出している雑草と、扁平たいらの磐石と、息絶えたらしい典膳の姿とがあるばかりであった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ここは比較的に大きい岩が突出とっしゅつしていて、こけに包まれたる岩のおもて卓子テーブルのように扁平たいらであった。巡査は松明を片手に這い寄ると、穴の奥から不意に一個ひとつの石が飛んで来た。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)