“ぜんしょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
前生34.3%
前哨22.9%
前檣17.1%
禅床8.6%
善昌5.7%
善性5.7%
前詔2.9%
禅勝2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
即ち「我は前生ぜんしょうはかくかくの立派なラマである。そういう立派な人の生れ変りであるから、決して人から馬鹿にされないぞ」
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
前哨ぜんしょうの散兵陣地、尖角せんかく陣地、第二陣地、ほとんど一溜ひとたまりもなく押し崩され、中軍の寺院附近は、それらのすなき将兵や馬のいななきで埋まっていた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこへ激しい彼岸嵐に襲われて、左舷さげん船嘴せんしと一舷窓とがこわれ、前檣ぜんしょうの索棒がいたんだ。そしてそれらの損所のためにまたツーロン港にはいってきたのである。
高氏の声に、彼はさっきから、一年も通った南芳庵の冷ややかな禅床ぜんしょうと師の疎石とを、思うともなく瞼に描いていたのである。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一族の船田ノ入道善昌ぜんしょうへあごをしゃくって。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——焦心あせるまい、あまりこだわるまい。会うも別れるも、天地の何ものかがさせている力だ。幼い城太郎にも、弱いお通にも、幼ければ幼いなりに、弱ければ弱いなりに、世間のなかの——それが神だともいえる——善性ぜんしょうの人の加護があるであろう」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燕王、指揮しき武勝ぶしょうりて、朝廷兵をむるを許したまいて、而して糧を絶ち北を攻めしめたもうは、前詔ぜんしょう背馳はいちすと奏す。帝書を得て兵をむるの意あり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「綽空どのは、頬のあたりがすこし肥えられた」蓮生房がつぶやくと、炉をかこんでいる心寂しんじゃくや、弁長や、念阿ねんあや、禅勝ぜんしょうなどの人々が、そっと彼の顔を見まもって
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)