“禅床”の読み方と例文
読み方割合
ぜんしょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しおしおと、智深は禅床ぜんしょうへ引き退がった。もう人の耳こすりや潮笑にも、めったには怒らないぞと、顔に錠前じょうまえをかけたような無口に変った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高氏の声に、彼はさっきから、一年も通った南芳庵の冷ややかな禅床ぜんしょうと師の疎石とを、思うともなく瞼に描いていたのである。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先夜の若僧の名をさして『論議ろんぎではらちがあきません。先の夜、御僧が望んでいたお約束事を、ここで果たそうではありませんか。さあお進み下さい』と、禅床ぜんしょうの真ん中へ出て衣を解きかけた。
美しい日本の歴史 (新字新仮名) / 吉川英治(著)