“ぜんせ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
前世86.7%
前生13.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一體いつたい散々さん/″\不首尾ふしゆびたら/″\、前世ぜんせごふででもあるやうで、まをすもはゞかつてひかへたが、もうだまつてはられない。たしか横濱よこはまあたりであつたらうとおもふ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
兄弟きょうだいのない自分には葉子が前世ぜんせからの姉とより思われぬ。自分をあわれんで弟と思ってくれ。せめては葉子の声の聞こえる所顔の見える所にいるのを許してくれ。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
すべて神様のお思召ぼしめしさ。おれは、わるくないんだ。けれども、前生ぜんせに亭主を叱る女か何か、ひどく汚いものだったために、今その罰を受けているのだ。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
前生ぜんせの事のようで、目の前の事のようで、心の内が言いたくッて、言われなくッて、じれッたくって、口惜くやしくッて、いらいらして、じりじりして、そのくせぼッとして
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)