“未生前”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みしやうぜん50.0%
みしょうぜん50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼れは他郷から歸省した者のやうに、今夜は少年時代の自分の姿を闇の中の彼方此方あちらこちらに見詰めた。……もつと快活で元氣のよかつた昔の事が未生前みしやうぜんの事件のやうに心に浮んだ。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
あたか父母ふぼ未生前みしやうぜんより小説や戯曲に通じてゐたやうに滔滔たうたう聒聒くわつくわつ絮絮じよじよ綿綿めんめんと不幸なる僕等におしへれるのである。すると文壇に幅をかせてゐるのは必ずしも小説や戯曲ではない。
変遷その他 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
父母未生前みしょうぜんにまでさかのぼって、人間に善を説く仏だの神だのも有りとしながら、主体の許容もなく、人の子の血管に、こんな性をしのび込ませておいたのはだれなのか。
彼れは他郷から帰省した者のように、今夜は少年時代の自分の姿を闇の中のあちこちに見詰めた。……もっと快活で元気のよかった昔の事が未生前みしょうぜんの時代のように心に浮んだ。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)