“未生”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みしょう54.5%
みしやう45.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「この月の今日、申の刻に、あなたがここを通りあわすことは、未生みしょう前からの約束でな、この宿縁をまぬかれることは出来申さぬのじゃ」
顎十郎捕物帳:01 捨公方 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
やがて夫人が、一度ひとたび、幻に未生みしょうのうない子を、病中のいためる御胸おんむねに、いだきしめたまう姿は、見る目にも痛ましい。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
例之たとへば弟汝楩の子万年まんねんの女類は夭折の年月或は契合すべく、更に下つて万年の子くわん三の女つうとなると、明に未生みしやうの人物となる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「まあなにからはひつてもおなじであるが」と老師らうし宗助そうすけむかつてつた。「父母ふぼ未生みしやう以前いぜん本來ほんらい面目めんもくなんだか、それをひとかんがへてたらかろう」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)