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未生
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みしょう
ふりがな文庫
“
未生
(
みしょう
)” の例文
「この月の今日、申の刻に、あなたがここを通りあわすことは、
未生
(
みしょう
)
前からの約束でな、この宿縁をまぬかれることは出来申さぬのじゃ」
顎十郎捕物帳:01 捨公方
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
やがて夫人が、
一度
(
ひとたび
)
、幻に
未生
(
みしょう
)
のうない子を、病中のいためる
御胸
(
おんむね
)
に、
抱
(
いだ
)
きしめたまう姿は、見る目にも痛ましい。
夫人利生記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
禅家の公案に、父母
未生
(
みしょう
)
以前本来面目というのがあるが、人間は
何処
(
どこ
)
から来て何処に去るものか、これは
判
(
わか
)
らない。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
人間個々が、
未生
(
みしょう
)
からすでに宿してきた性慾、肉体の解決という課題が、文学の大事ならば、同列の人間宿命といいうる闘争本能の
根体
(
こんたい
)
を
究明
(
きゅうめい
)
してゆくことも、大きな課題といってよい。
宮本武蔵:01 序、はしがき
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自然
(
ネイチュア
)
よ! と眼をあげた
刹那
(
せつな
)
、映じた風景は、むろん異国的ではありながら、その
癖
(
くせ
)
、
未生
(
みしょう
)
前とでもいいますか、どこかで一回は
眺
(
なが
)
めたことがあるという
感懐
(
かんかい
)
が、肉体を
痺
(
しび
)
れさせるほど
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
▼ もっと見る
沢崎は席に就く前に、
薄端
(
うすばた
)
に
未生
(
みしょう
)
流らしい
矯
(
た
)
め方をした
葉蘭
(
はらん
)
が
活
(
い
)
けてある床の間を向いて
跪
(
ひざまず
)
き、掛軸の書を丹念に打ち眺めている様子であったが、幸子と雪子とはその
隙
(
すき
)
に彼の後姿へ眼を
遣
(
や
)
った。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
これは俳句
未生
(
みしょう
)
以前本来の面目である。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
未
常用漢字
小4
部首:⽊
5画
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“未生”で始まる語句
未生前
未生以前