“父母未生”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふもみしょう66.7%
ふぼみしょう33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
エレーンがランスロットに始めて逢う、この男だぞと思い詰める、やはり父母未生ふもみしょう以前に受けた記憶と情緒じょうしょが、長い時間をへだてて脳中に再現する。二十世紀の人間は散文的である。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
余が寂光院じゃっこういんの門をくぐって得た情緒じょうしょは、浮世を歩む年齢が逆行して父母未生ふもみしょう以前にさかのぼったと思うくらい、古い、物寂ものさびた、憐れの多い、捕えるほどしかとした痕迹こんせきもなきまで、淡く消極的な情緒である。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがて食事をえて、わがへやへ帰った宗助は、また父母未生ふぼみしょう以前いぜんと云う稀有けうな問題を眼の前にえて、じっとながめた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
父母未生ふぼみしょう以前いぜん本来ほんらい面目めんもくなんだか、それを一つ考えて見たらかろう」
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)