“微妙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びみょう31.3%
びめう27.1%
いみじ16.7%
みみょう8.3%
デリケート8.3%
みめう4.2%
いみ2.1%
めでた2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
徳川時代の狂言作者は、案外ずるく頭が働いて、観客の意識の底に潜在している微妙な心理にびることがみであったのかも知れない。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
時候と、と、光線の、微妙配合によつて、しかも、品行方正なるものにのみあらはるゝ幻影だと、宿風呂番の(さん)がつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
同時に医学士に診察を受けていた貴夫人は胸を掻合せたが、金縁の眼鏡をかけた顔で、背後芍薬が咲いたような微妙気勢に振返った。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その時虚空はるかに微妙なる音楽がきこえ始めた。聖衆の群れはそれに合わせて仏様をめる歌をうたわれた。すると天から花が降って来て、あたりはりに満ちた。
出家とその弟子 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
と云ったところでたぶん君は、皮膚の感触みたいな微妙なものに信頼は置けぬと云うだろうが、それならそれで、もう一つ適確に否定出来る材料がある。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
成ほど世間の評判のやうに、その読経の声に深く人の魂を引附けずに置かないやうに深遠微妙の調子を持つてゐるのをかれは見た。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
微妙じくもまた瞑目りながら
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
く待ちたまえとてたちまちせぬ、さて出て来て暫く眼を閉じよという、教えのままに眠入ると思うほどに目を開けという、目を開けて見れば微妙った門あり