微妙デリケート)” の例文
と云ったところでたぶん君は、皮膚の感触みたいな微妙デリケートなものに信頼は置けぬと云うだろうが、それならそれで、もう一つ適確に否定出来る材料がある。
聖アレキセイ寺院の惨劇 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
しかも議論では尽くし難き微妙デリケートなる真理が十字架によって確立せられたのです。その真理とは、すなわち愛です。
落すにはそれ/″\自分が手につた方法をえらんで差支さしつかへないが、たゞ落すその一瞬間は鶏に気取けどられぬ程の微妙デリケートところが無くてはならぬ。気取られたが最後肉の味はまづくなる。
それは子が親に対する微妙デリケートな謙譲である。そしてその謙譲を感ずる時、矢島さんは空虚な静安を身に覚えた。その静安が秀男に反映する。……「一緒に旅しよう」と彼等は云う。彼等は親と子である。
過渡人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)