微妙みめう)” の例文
成ほど世間の評判のやうに、その読経の声に深く人の魂を引附けずに置かないやうに深遠微妙みめうの調子を持つてゐるのをかれは見た。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
うみ微妙みめう
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
他の寺の僧達のした読経どきやうではとても味ふことの出来ない微妙みめうな深遠な感じに人々はたれた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
今まで広い空間に孤独を歎き、一人を歎き、自然の無関心をなげいた自己は、はるかに遠い過去に没し去つた。今はその如来の像はかれに向つて話し懸けた。又かれに向つて微妙みめう不可思議の心理を示した。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)